コラム・エッセイ
又 皐月(一)
随想 季節の中で 西﨑博史(周南文化協会会長)新緑の中、連休はどのように過ごされましたか。山や海へ、行楽地へ。盆と正月に加えてこの連休が唯一の長期休暇でどこか心弾みます。5日は立夏。子どもの日。花菖蒲が咲き始めました。5日の端午の節句には風呂に入れて菖蒲湯にする家もあります。匂いがよくて疲労回復にもつながるようです。
紫のさまで濃からず花菖蒲 久保田万太郎
劇団青年座がこの4月、55年住み慣れた渋谷区富ヶ谷から豊島区西池袋に活動の拠点を移しました。その劇団の「池袋元年創立記念パーティー」が5月1日、ホテルメトロポリタンでありました。周南市出身で徳山高校34期卒業の俳優、津田真澄さんが所属する劇団です。夫の森正敏さんが劇団代表。案内状が届き、喜んで出席しました。8年前の平成30年2月3日、文化会館で催した周南文化協会のゆかりの人を招いた第8回講演会で、津田さんには「演劇の魅力〜今まで出会った多くの芝居や人たちを通して」を語っていただきました。その折、森さんが構成、演出をされて大変お世話になりました。
劇団青年座は昭和29年(1954)に森塚敏さん、東美恵子さんら10人の俳優が起ち上げてから72年。俳優座、文学座、民藝、文化座などとともに日本を代表する劇団の足跡は戦後の演劇史そのものです。今は亡き西田敏行さん、現在も活躍中の高畑淳子さんらも所属。パーティーには演劇関係を中心に300人が出席。森さんが変遷と今の決意を述べて、豊島区長の高際みゆきさんが「演劇の街・池袋へようこそ。生活が厳しさを増す中で文化は生きる喜びを与えてくれます。劇場に行けない子どもたちにも触れる機会を作りたい。しっかりと応援します。ぜひ協力してほしい」と力強いメッセージ。熱気あふれる会場から大きな拍手が湧き起こりました。
築地小劇場開場から102年。劇団はどのように演劇をつくり続けてきたのか。150人を超える俳優、スタッフを抱えた劇団青年座。未来をどう描いていけばいいのか。森さんをはじめ、俳優、制作スタッフらは一丸となって挑戦しようとしています。津田真澄さんは故郷の施設で暮らす母と、劇団代表で超多忙な夫の健康を気遣いながら新たな舞台に情熱を注ぎます。
周南市民劇場など全国の演劇鑑賞団体も仲間と連携して大きな役割を果たしてきました。支えあってその輪が広がることを願います。
