コラム・エッセイ
回天記念館
翠流▼徳山ユネスコ協会の「平和の鐘を鳴らそう」の取材のため、大津島の回天記念館を訪れた。門から記念館の建物まで、特攻兵器「回天」で亡くなった搭乗員の氏名を刻んだ石板が並ぶ。そばに白い花が添えられている。
▼島起こしの動きもあるが、住む人が減り、高齢化が進み、少しずつ変化する大津島。この1年半余り、新型コロナウイルスの影響で訪れる人を制限せざる得ないためか、いつものお盆のにぎわいは感じられない。4月のお花見、11月の回天烈士慰霊祭、12月のポテトマラソンなども規模を縮小したり、中止になっている。
▼住む人が最期まで安心して暮らせるための施策、回天記念館や戦争遺跡の保存・公開とこの島で76年前に起こったことを語り次ぐ活動、あと一つ、できればマリンレジャーや釣り、キャンプなどを楽しめる、市民の憩いの場となること。
▼そのための整備はコロナ禍の中でも着々と進められている。市内で最初に一般市民の新型コロナウイルスワクチン集団接種があったのは大津島だった。この日の「平和の鐘を鳴らそう」も感染防止策をとって実現させた。
▼離島であることは遺跡や自然を守るためにはプラスだが、より多くの人に知ってもらうためには必ずしも有利とは言えない。多くの先人によって守られてきた記念館と遺跡。例えば、進行中の徳山駅前再開発の駅前棟などに、記念館の分館的な、大津島を紹介するコーナーができれば、関心を持つ人も増えるのでないだろうか。(延安)
