コラム・エッセイ
高齢者団体のこれから
翠流▼高齢化が進む一方で、高齢者の団体の会員数が減り続けている。周南市老人クラブ連合会・輝きクラブ周南、山口県アクティブシニア協会(AYSA)、周南市シルバー人材センターの総会を取材したが、いずれも課題の一つが会員の確保だった。
▼高齢になっても元気な人は多い。65歳までは当たり前、70歳まで働ける社会になりつつある。人生100歳時代となれば、老後に備えた蓄えは多すぎるということはない。収入確保と社会とのつながり維持へ、働きたい高齢者も少なくない。
▼一方で、元気に暮らせる健康寿命は男性では72歳、女性でも75歳ぐらい。70歳まで働けば「余生」はほとんどない。地域活動や、ボランティア活動に携わる人は限られ、各団体への参加も難しくなったと言われている。
▼しかし、高齢になれば周囲の支えが不可欠だし、仲間と語り合うことも気晴らしになる。高齢者同士のつながりが不要になるわけではない。適度なつながりを細く長く続け、人生最期の暮らしの質を高めるためにどんな仕組みが良いのか、智恵の出しどころだ。
▼長く生きれば誰でも高齢者になる。高齢者団体の活動や高齢者の生活について比較的若い、50歳ぐらいから知ることができれば安心できる。例えば、準会員のような形で早くから活動の楽しさや意義をニュースレターなどの形で伝え、状況に応じて少しずつ活動に参加する機会を増やすことも、将来の会員増につなげる方法かもしれない。
(延安弘行)
