コラム・エッセイ
笑顔とあいさつから
翠流▼2月下旬から4月までは税金の申告や引っ越しの時期。市役所を訪れる市民も多い。周南市の新庁舎では初めてこの時期を迎え、庁舎内で案内板の前で立ち止まってどこへ行けばいいのか、思案にくれている人をよく見かける。
▼1階には受付もあって案内の職員も配置されているのだが、2階以上はいない。ところが見る限りでは案内板を見ている市民に声をかける職員はほとんどいない。あいさつの声も聞こえてこない。
▼各部署が集まった新庁舎は商店街か百貨店のようなもので、各部署は売り場。それぞれの売り場に好印象を持ってもらい、お客さんになってもらわなければならないのだが、カウンターのそばに行ったぐらいでは誰も振り向かない。声を出して大きな声で呼びかけると、周りに誰も反応している人がいないことを確かめてしぶしぶカウンターまで出てくる。もちろん一部だがそんな部署もある。
▼廊下を歩けば大きな声であいさつされ、案内板の前に立てば手助けの声がかかり、どの部署でもカウンターに近寄っただけで職員が立つという状態になれば、どれほど市民の市役所への信頼が増すだろうか。
▼カウンター近くには若手職員が多いが、ここは部長級を含めたベテランが率先して模範を示すべきだろう。来訪者が多い今こそ、入札情報漏えいや、必要な再入札をしなかった“不適切な事務処理”で失われた信頼を取り戻すチャンス。まずは市民にもう少し笑顔を向けることから始めてほしい。
(延安)
