コラム・エッセイ
参院選の争点
翠流▼スーパーマーケットでコメの売り場を見ることが習慣になった。5キロ2千円の随意契約の備蓄米も県内で売られているそうだが、まだ目にしていない。入札で放出した備蓄米がブレンドされているかもしれない3千円台のコメと5千円前後の産地、品種名が記された袋が並んでいる。
▼5月の大型連休のころには空になっていた棚が米でいっぱいになった。長年、食べ続けてきた県産米が棚に並んでいるのは大きな安心だ。これも備蓄米放出の影響で、消費者があせって買わなくなり、業者も出荷調整をゆるめたからかもしれない。
▼参院選が公示された。農政がこんなに大きな争点となるのは久しぶりではないだろうか。コメの適正な値段による安定供給をどう実現させるのか、補助金のあり方などをめぐって論戦が展開される。
▼コメは年に一度しか収穫できない。天候、病害虫などによって収穫量は変わる。栽培方法も地域によって、あるいは田んぼごとでも違ってくる。規模の拡大はできても、効率的な栽培ができる水田が日本にそんなにあるのだろうか。論戦から実状にあった「解」に近づけることを期待した。
▼物価高騰に対する消費税減税やガソリン暫定税率引き下げか、一律の給付金か▽夫婦別姓も市民生活に影響する論点だ。米国との関係、各地で戦争が続く中での国際関係も重要だ。これらの問題に対し、各政党がそれぞれ政策を提案している。衆院選の与野党逆転で、一票が政治を変えることを知った有権者がどんな判断をくだすか、注目したい。
(延安弘行)
