コラム・エッセイ
終戦から81年目へ
翠流▼8月3日(日)午後1時からは周南市文化会館で特攻兵器回天の搭乗員を描いた演劇「あゝ大津島 碧き海」の上演▽9日(土)午後2時から徳山保健センターで工藤洋三さんの講演会「米軍が記録した徳山空襲」▽15日(金)は大津島の回天記念館前庭で徳山ユネスコ協会の「平和の鐘をならそう」がある。
▼いずれも周南市の戦後80年事業の取り組み。市内各地を巡回するパネル展も開かれている。
▼周南市内には戦時中や戦後の姿を伝える施設として回天記念館▽周南市美術博物館の歴史コーナー▽新南陽地区の福川南小近くの中畷町に周南市民俗資料館がある。
▼今年は美術博物館、民俗資料館とも、80年前に何があったかを伝える特設コーナーや企画展を開き、市民の関心も高まっている。回天記念館の入館者も増えている。
▼回天作戦、徳山空襲について、体験集の出版など市民が主体になり、記憶、記録の継承に取り組んできた。しかし、太平洋戦争の経験者は少なくなり、何もしなければ年々、関心は薄れていく。
▼一方、命の尊さを考える平和教育は、世界各地で戦争が続く限り求められる。回天作戦、徳山空襲を後世にどう伝えるのか。戦争遺跡や当時を伝える資料をどう保管、紹介していくのか。市として早急に方向性を出さなければならない時期。まずは今年の夏、演劇「碧き海」や講演会「米軍が記録した徳山空襲」に参加し、回天記念館を訪れることから始めてみたい。
(延安弘行)