コラム・エッセイ
米騒動のその後
翠流▼2023年の米の不作と、インバウンドなどによる需要増が原因とされる今回の米騒動。24、25年と高騰した米の値段も落ち着き、物価上昇が続く中、「値下げ」が見込まれる貴重な食料品となっている。
▼県内では5キロの米を1キロ増量して6キロで販売する「ぶち得!!プラスワン購入支援キャンペーン」が4月から続いている。8月には農協の直売店で在庫を処分するためなのか、産地を明示した地元米が値下げして売られていた。9月は新米の収穫が本格化し、間もなく店頭に並ぶ。25年産米より26年産の新米の価格が低くなるという見方もある。
▼価格が下がり、安定化することはいいことなのだろうか。米騒動の中でさまざまな課題が浮かび上がった。流通過程の複雑さの指摘の中で、町の米屋さんに売る米がなくなり、苦境に立つ様子がニュースになった。
▼生産費はいくらなのか、栽培方法や規模によって違いがあることもわかり、山間地などの零細な農家が米作を続けられなくなる不安が語られた。供給に時間がかかる備蓄米のありかた、増産か減反政策を続けるのかなど政府の取り組みにも注目が集まった。
▼これらの課題は解決したのだろうか。おいしい地元の米を、適正な価格でこれからも食べ続けるために何が必要なのか。国会や県議会、市議会で議論されている姿も激減した。豊作が見込まれるこの秋。まずはたくさんご飯を食べて、この国の食の未来をみんなで考えたい。
(延安弘行)
