2026年10月23日(金)

コラム・エッセイ

(13)富田川

補 周南新百景 佐森芳夫(画家)

 6月19日ごろから降り始めた雨は、途中で曇りの日をはさみながら、26日まで長く降り続いた。その原因となったのは、停滞する梅雨前線に低気圧が近づいたことであったが、台風7号の接近も影響したようである。

 さらに、台風7号の近くでは、台風8号が並走する形になっていた。台風8号は、勢力が弱く次第に熱帯低気圧に変わっていったが、それにしても、梅雨前線と低気圧、ダブル台風の4つが同時に影響するのも珍しい。

 風は心配したほど吹かなかったものの、雨は容赦なく降り続いていた。洪水など災害が発生した時には、河川に近づかないのが常識である。これまでも、様子を見に行った高齢者が被害にあった事故が多く起きている。

 同じ事故を繰り返さないためには、河川の状態を正しく知る必要がある。その時に参考となるのが、気象庁が発表するキキクル(危険度分布)であろう。大雨による土砂災害、浸水、洪水などを確認することができる。

 周南市の西部を流れる富田川(とんだがわ)には、本流だけでなく、支流の神代川や川曲川、さらに上流の菊川湖に流れ込む中野川や四熊川などがある。これらの状況は、キキクルの地図上で確認することができる。

 6月26日の早朝、富田川に洪水や浸水の警報が出ていないことをキキクルで確認した後、富田川に架かる周南市下上の向上橋(こうじょうばし)に行ってみた。橋では、通勤のためと思われる多くの車が走っていた。

 橋の上からは、川幅いっぱいに茶色く濁った水が勢いよく流れているのが見えた。上流の川上ダムが放流をしているからであろうか、水位がかなり上昇しているのが分かる。相変わらず、激しい雨が降り続いていた。

 富田川の上流ではないが、近隣の周南市鹿野の観測所では6月25日の一日の降水量が、観測史上1位の165.5ミリであった。同じ日、和田の観測所でも観測史上1位を記録している。これから先も、注意が必要であろう。

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