コラム・エッセイ
(21)夏野菜
補 周南新百景 佐森芳夫(画家)![]()
今年の夏も、連日のように熱中症警戒アラートが発表された。熱中症警戒アラートが発表されると、人ごとではなく自分のこととして受け止めるようにしている。そのため、行動できる時間が少なくなるのは仕方ない。
そこで、その影響を一番受けるのが、猫の額ほどの家庭菜園であろう。雑草がはびこる時期に草引きができないとなると、その結果は言うまでもない。警戒アラートだけが原因ではないが、見るも無残な状態になる。
さらに、厳しい雨不足が容赦なく襲いかかった。それでも、家庭菜園に植えた野菜たちは、苦難にもめげずに元気に育ってくれた。そして、十分とは言えないまでも、それなりに育った野菜を収穫することができた。
収穫できたのは、ゴーヤー、きゅうり、ピーマン、シシトウ、ミニトマト、オクラ、モロヘイヤ、ニラなどであった。そのほとんどは、販売所で買った苗を育てたものであるが、中には種をまいて育てたものもある。
その種も、販売所で買ったものもあれば、収穫した実や咲いた花から取り出したものもある。たとえ失敗に終わったとしても、野菜から種を取ることや種をまくことは、苗から育てる野菜作りとは違った楽しみがある。
野菜から種を取ることや種をまくことが、比較的簡単な野菜としてはゴーヤーをあげることができる。黄色く熟れたゴーヤーの実から取りだした種を洗った後、よく乾かしたものを保管すれば、種として使用できる。
ゴーヤーは発芽率もよく、害虫にも強いので育てることも簡単である。ツル性のため支柱を立てる必要があるが、その他は手がかかることが余りない。雄花と雌花があるが、受粉の手助がなくても自然に実をつける。
収穫できた野菜に共通しているのは、害虫に強いことである。山のそばにある家庭菜園では、その強さこそが必要条件となる。そして、作りたい野菜よりも、作ることができる野菜を選ぶことが収穫への近道といえる。(画家)
