2026年07月08日(水)

コラム・エッセイ

第四十手 「子ども達の全国大会②」

「碁」for it 小野慎吾

 前回は、東京で小・中学生を対象とした囲碁の「文部科学大臣杯・少年少女囲碁全国大会」が8月20・21日に行われた事を紹介しました。私も囲碁子供教室の先生として教え子が全国大会に出場したため、引率をしました。緊急事態宣言が出ている最中で、参加するのを直前まで迷い参加しました。全国大会に参加している選手の父母の方で知り合いがおり、参加した思い・経緯を知る事で自分がなぜ引率をしたのかを言語化する事が出来ました。

 前回と複合していますが、それは「小・中学生にとっての囲碁の甲子園大会」であるためです。特に小学生にとっては有意義な大会で過去42年行われています。その42年間で小学生の部で全国ベスト4までに入った事がある選手は全て囲碁のプロ棋士になっています。

 大会の歴史を調べていてその事に気づきました。逆に中・高校生で全国大会優勝をした事がある選手が、囲碁のプロ棋士になっている確率は数%でした。その事を肌感覚でわかっているのが父母の方です。小学生のお子様にとってどういう位置付けの大会である事かを理解されているのだと、自分が引率で付いていき感じました。

 この全国大会の数日前には高校生の全国大会が行われましたが、辞退された方が多数で本来の参加人数の半分以下でした。それは上記の理由も多少絡んでいるかと思います。

 子ども達にとっての囲碁大会は将来を左右する重要なイベントです。

 肝心の大会自体は、ソーシャルディスタンスを保ち、対局する囲碁盤の前にパーテンションを立て行われましたため安全だったと思います。

 2年ぶりに行われた大会のため、また囲碁は対人戦であるため目の前の対局相手が強いかどうかというのを戦う前から感じるため、まずは自身の恐怖心との戦いです。囲碁の強さと言うのは数値化するのは非常に難しいものです。目の前の対局相手より強かったらその対局には勝利出来ます。結果的に勝っても、負けても相手の強さがどの位置付けくらいの選手だったかは非常に見えにくい世界です。

 そのため、全国大会では良く見られる光景ですが、選手は打った後に打った囲碁の記録(棋譜)を自身で囲碁の専門用紙を使用し、記載します。

 現代では携帯などが進化し、その文化は少しずつデジタルになっていますが、その光景を目のあたりにして胸が熱くなりました。当然その様な事をする選手は強い傾向があり、またプロ棋士になる確率も高いと思います。コロナ禍ではあったもののそのような熱い棋道精神を子供達から学べ、自身も頑張らなければと思った所存です。

 当教室の生徒は1勝2敗でしたが、自分の強さ以上を大会で発揮でき、次回の全国大会が楽しみです。

 日々成長するために「碁」for it(頑張る)!

夏の全国大会のヒトコマ(対局の記録を取る少女)

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