コラム・エッセイ
第四十二手 「囲碁YouTube①」
「碁」for it 小野慎吾昔は、囲碁の情報番組と言えば日曜昼にあるNHKの放送でした。現在でもありますが、その囲碁番組を見ていると眠たくなり、昼寝がはかどるというのは囲碁をしている人からすれば一度は感じた事があることでしょう。
その他にもNHKではプロタイトル戦があると解説会も放送しておりましたが、時代の流れから縮小され解説会は番組から無くなりました。
現在では、You Tubeでの囲碁動画が非常に多くなりました。囲碁のプロ棋士による対局動画、講座が主にある印象です。また、プロタイトル戦もリアルタイムで放映されるようになり囲碁愛好家としてはいつでも囲碁を観て楽しむ事が出来るようになり良い時代になりました。
タイトル戦をリアルタイムで視聴しながら、観客者同士でチャット出来るのも楽しみの一つです。ですが難しい点もあると筆者は思っています。
今はアマチュアの囲碁愛好家の中でも、パソコン内に囲碁AIを導入している方が大多数です。囲碁AIが人間のプロ棋士より強いのは周知の事実です。そのため多数のアマチュア囲碁愛好家はプロのタイトル戦の棋譜を自身の囲碁AIに入力し、どちらが勝っているのかを照らし合わせて楽しんでいます。
その結果、チャット欄には「今の手で黒が悪くなった。ミスをした。」「今の手ではこちらの方がよりよい結果になる。」というのが多く散見されます。
プロタイトル戦は、長いもので両者8時間持ち時間があり、2日をかけて対局を争うものもあります。そのため1手進めるのに1時間以上長考することも珍しくありません。
囲碁AIは確かに人間より遥かに強いですが、なぜその手がいいのか、悪いのかという理由付けまではまだ人間に説明できるようにはなっていません。
筆者は、なぜプロ棋士がその手に対して1時間以上考え、その着手に至ったのかという理由を探る方が面白く、また勉強になると思っています。囲碁AIに入力すると明確に正解な手を示します。人間には考えずともその手が正しい事しかわかりません。
正しい手自体はどの愛好家でもわかる時代ですが、人間が織りなす囲碁のストーリーが囲碁の本質的な面白さだと考えます。
筆者自身も囲碁AIを使用し、局面毎に示す正しい手を選ぶ練習をしています。ですが、囲碁AIが示す正解がどうしても理解できない事が多いです。実際の試合で結果として自身の着手に自信が持てなくなり、悪い結果に繋がる事が多くなりました。
少なくとも、実際に対局する時は自信をもってその手が正しいのだと自身で納得するのが「正着」です。囲碁は最初361カ所から自由に打っていいゲームです。無限に近い変化を毎局楽しんで「生きたい」と思います。
己を信じて「碁」for it(頑張る)!
子ども達からもらったトリックオアトリート
