コラム・エッセイ
第五十五手「囲碁と将棋の関係②」
「碁」for it 小野慎吾囲碁と将棋でゲーム性の最大の違いは、「将棋の駒は動かすものですが、囲碁は一度置いた碁石は動かせない」という事です。将棋は1手毎に駒が動くため、駒を取ったり・取られたりと数手先には思いもがけない図になっている事があります。対して囲碁は石を1個ずつ加算していくため、数手単位では緩やかな変化に映る部分はあります。石を取ったりする事があるためこの限りではありませんが…。
将棋も囲碁もより「完璧なゲーム」とするために特殊なルールがいくつか存在します。
将棋は取った駒を自由に置けるゲームですが「駒を動けないところにうつのは反則」となっています。最も有名な反則は「二歩」でしょう。縦軸に自軍の歩がある場合に、同縦軸にもう一枚歩を打つ事は出来ません。歩が成った「と」がある場合はこの限りではありません。
他には持ち駒の歩を打って相手の玉を詰ませるのは反則です。王手放置も反則となっています。自ら取られる位置に王を動かすのも同様です。筆者レベルの将棋では、この反則をする事が一番多い気がします…。(苦笑)
他にも反則自体はありますが、これらはより将棋を「完璧なゲーム」に近づけるための面白さの一つと言えるのではないでしょうか。実際に将棋のプロ棋士でも上記の反則をしてしまったという事は少なからず存在します。反則の半数は二歩と言われています。
囲碁では「コウの取り番を誤る」が反則となっています。コウ自体が難しいルールのため詳しくは割愛しますが、端的には同一局面が起こった場合、一手必ず別に間の手をかませないといけないといったルールと捉え下さい。その他には2手連続打つ、待ったをするなどは将棋でも同様に反則負けとなります。囲碁の場合はコウの取り番を誤るが多数だと思われますが、反則負け自体は年に1回ある出来事のレベルです。
囲碁の場合は「コウ」というルール自体が囲碁のゲームの面白さを一段階上げていると筆者は思っています。
将棋の県代表クラスとの方とお話する機会が多くありますが、面白い話があります。勝ちを目指す場合に「そのゲームの最善手を探し続ける」という手段と「相手に応じて最善手を変えていく」手段の大きく二つに分けられると感じました。
筆者も囲碁の勝ち方は前記2パターンあると思っています。近年では前者の最善手を探し続けるという行為自体は「AI」が最も近い存在と言えます。それは人間にはわからない指し手・着手が多く存在します。プロの試合が大変面白く感じるのは後者の相手に応じて〜変えていく場面があるため逆転劇、様々なドラマを生んでいるだからと感じます。
筆者は囲碁・将棋共に大変面白いゲームと思っています。このコラムを読まれて始める方、続けておられる方が長く楽しめるゲームになるように祈って今回は終わります。
囲碁も将棋も「碁」for it(頑張る)!
シアトル碁会所・モニュメント
