2026年07月08日(水)

コラム・エッセイ

第六十手 「旧新南陽市の碁会所①」

「碁」for it 小野慎吾

 旧新南陽市の碁会所は2つあります。風のうわさで6月末にその内の1つが閉店になっと聞き、また一時代の終わりを感じました。碁会所を営業していた方に長年お疲れ様でしたという思いしかございません。

 碁会所を風化させないためにも昔話をしたいと思います。筆者自身は、約30年前の小学4年生から中学3年生まで新南陽駅前にあった協和開発ビルの3階の碁会所に通っていました。碁会所の規模は、30人は座れるくらいの広さだったと記憶しています。通い出した時は、子供は筆者1人でした。年齢層は30代〜80代と幅広い客層でした。途中から筆者の友達2人が同碁会所に通ってくれるようになりましたが、長持ちはしませんでした。(笑)

 それもそのはずで、その頃の碁会所は、9割以上がたばこを吸う方でした。分煙という概念自体もなく対局する碁盤の横に灰皿が有り、灰はいつもてんこ盛りだったと思います。そういう環境に対して筆者は何も思いませんでしたが、友達はもしかしたらにおいが嫌だったのかも知れません。

 碁会所内には碁会所内に通っている人の名札プレートが有り、大人になってから行った際には約半数の方が亡くなっていて非常に悲しく思いました。筆者は元気だった頃の諸先輩のイメージしかなく、晩年元気がなくなっていく姿自体をあまり見たことはありません。そもそも元気がなくなれば、碁会所自体に通う事を辞めるため元気な姿の印象しかないのかも知れません。

 現在、囲碁教室の先生をしており、今の子ども達が前記記載のようないわゆる「昭和の碁会所」に通いたいと思うかと思うと全くそうは思えません。(笑)※その頃の諸先輩方申し訳ありません…

 ただ、自分自身はそのような「昭和の碁会所」で育った世代です。このコラムを執筆するにあたり、その旧新南陽の碁会所が自身の夢で出てくることが珍しくないことを思い出しました。非常に良い少年時代を過ごせたのは「昭和の碁会所」というのがあったからです。

 これからは「令和の碁会所」として囲碁愛好家の皆さんの生活を豊かにする一因となればうれしく思います。碁会所の数は後退する一方ですが、その中でも新しく開店する碁会所は全国でもあり、成功して欲しいと願うばかりです。そして今回閉店してしまった旧新南陽の碁会所につきましては改めて長年お疲れ様でしたと有難うございましたという思いで締めくくりたいと思います。

 夢が叶うように「碁」for it(頑張る)!

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