コラム・エッセイ
第六十七手 「囲碁のプロ棋士になるためには②」
「碁」for it 小野慎吾8月某日、大阪府の小学3年生、藤田怜央さんが史上最年少の9歳4カ月で囲碁のプロ棋士になることが決まりました。藤田さんは関西棋院の「英才特別採用規定」に基づいて、9月1日からプロ棋士になりました。一時期、世間を賑わせた天才少女、中村菫さんは当時10歳0カ月で国内最年少記録でしたが、それを塗り替えました。中国、韓国、台湾のプロ棋士の中でも最年少記録です。
明るい話題ではあるものの賛否はあります。プロ棋士になる方法は、以前第三十四手「囲碁のプロ棋士になるためには①」で紹介をしました。(※1年以上前のコラムではありますが…)本来はプロ試験という囲碁試験で1位にならなければプロ棋士にはなれません。1年に1回しかなく、外来予選、合同予選、本戦の順に3つの関門を突破しなければなりません。始まりから終わるまでに長いものだと約4カ月かかります。
「英才特別採用規定」は関西棋院が男女問わず、未来のトップ棋士として活躍が期待される選手をプロ棋士採用する規定です。採用基準は候補者の将来性を最重視しています。関西棋院を代表する棋士による試験碁1局、個人提出対局2局、併せて3局の棋譜をランキングトップ10の棋士により審査をします。それにより3分の2以上の賛成があれば入段を認めるという制度です。今回の藤田さんは多くの賛成があり入段が認められたということでしょう。実際に棋譜などが公開されていますが、プロ棋士と遜色ない実力は囲碁をやっている者であれば明らかです。
ただし、実際にプロ試験を受けている者からすれば面白くないと感じる方が多いのではないでしょうか。プロ試験の対局場は東京、大阪などの都市部しかありません。プロ試験を受験する全ての方が都市部在住ではありません。地方勢は約4カ月間、都市部に移動、宿泊などをしなければなりません。そういった中でも合格できる者はたった1人です。そのためそのような面白くないという感情も湧いてくると思います。またそのような根性が無ければ長い期間頑張ることも難しいでしょう。
先の中村菫プロは日本棋院の「英才特別採用推薦棋士」の第1号です。上記な様な問題はあったかと思いますが、いまや女流タイトル挑戦者になるなど躍進しています。その実力で誰もが認めるトップ棋士です。
こども囲碁教室の先生をしていることから、プロ棋士を目指している子供を注視するようになりました。別地域のプロ棋士を目指す子供からどのように練習したらプロ棋士になれるでしょうか?などの質問を受けることもあります。この話題については引き続き触れて行きたいと思います。
地方勢でも「碁」for it(頑張る)!
揮毫する関山利通プロ
関山利通プロの揮毫
