コラム・エッセイ
第百三十手「山口県と広島県の大会の仕組み」
「碁」for it 小野慎吾筆者は4月29日・5月5日に広島市で開かれた「第19回朝日アマチュア囲碁名人戦・広島県大会」の審判長を務めました。山口県と広島県の大会の仕組みには相違がありました。それぞれに利点と欠点があると感じましたので述べていきます。
山口県の一般アマチュア大会(全年齢対象)は予選と県大会の2つに分かれています。この点は広島県も同じです。山口県内では周南予選で4〜5人、山口予選で2人、宇部予選5人、下関予選で3人と前年度大会優勝者と準優勝者の2人がシードで計16人の予選通過者を決めます。予選大会日は県内全て同日です。
広島県は広島予選5人、福山予選3人で計8人の予選通過者です。シード選手の枠はありません。予選開催日は広島予選、福山予選でそれぞれ別日になっています。予選大会日が別になっている場合の利点は、選手はどちらかの日に予定が空いていれば参加できる点です。予選大会日が同日の場合はその日の予定が空いていない場合、参加は難しいです。注意点は1度どちらかの予選に出場した場合、もう一方の予選に出場は出来ません。(※全国各地でその措置になっています。一部、出場出来る大会もある様です。)
予選大会日が別になっている場合の欠点は、片方の予選に出場している選手がもう一方の予選に出場した場合の見分けがつきにくい点です。各予選はそれぞれの組織が責任を持って運営していますが、横のつながりはほぼありません。予選開催後にあの選手は双方の予選に出場していた等の連絡がある場合があります。参加選手の倫理観に任せているため、大会開催側ではなかなか気づきにくい点です。
山口県内の予選大会は当日参加形式です。そのため、大会に選手が何人出場するかは当日にならなければわかりません。当日の参加者で予選通過数のトーナメント表を作り、試合をしていくので大会運営者は早い運営と公平なトーナメント表を作る必要があります。広島県の場合は事前申し込み形式にしているのが多いようです。
筆者が審判を務めた「朝日アマチュア囲碁名人戦」の広島予選は40人の定員を設け(先着順・当日参加不可)、定員に達した場合は、それ以降に申し込んだ選手は参加出来ません。ただし、予選大会日当日に欠席者が出た場合はその人数に合わせて当日参加が出来、キャンセル待ちの選手がいました。
事前申し込み制の利点は、大会運営の負担が楽になります。大会参加数が事前に見え、会場のキャパシティ・トーナメント表の作成が事前に準備しやすくなります。事前申し込み制の欠点は、大会出場人数が当日参加と比べて少なくなりやすい点です。当日、たまたま予定が開いたから参加しようという選手も少なくはありません。
幸い(?)にも山口県内は予選出場人数が全体でも40人未満が多いです。少ない参加人数のため、当日参加でもスムーズに出来ている点は否めません。
広島県の良い所を取り込みながら、今後の大会運営に活用して行きたいと思います。
公平な大会運営を「碁」for it(頑張る)!

アマチュア囲碁名人戦・広島県大会トーナメント表
