2026年03月29日(日)

コラム・エッセイ

第百五十手「山本賢太郎プロ①」

「碁」for it 小野慎吾

 山本賢太郎プロは、中国地方で囲碁をしている人なら知らない者はいないほど有名な囲碁プロ棋士です。筆者の「周南ひなた囲碁教室」の生徒は、広島県の大会に年2〜3回ほど出場しています。その時に必ずおられるのが山本プロです。

 山本プロは鳥取県出身の1980年生まれの45歳です。父の影響で4歳から囲碁を始め、小学校4年生の時に囲碁のプロ棋士を目指すために大阪の小学校に転校をして、日本棋院関西総本部の院生になります。中学3年生の時にプロ試験に合格し、晴れてプロ棋士になります。

 21歳の時、地方での囲碁普及を目的に広島県師範として広島市に居住を移して、今に至ります。山本プロは「広島での囲碁普及に力を注ぎたい」と述べており、それは体現されていると思います。広島のこども大会の大半は山本プロが審判長をされており、ルール説明から指導碁まで幅広く役割を果たされています。

 1番驚いたのは大会によっては会場設営の手伝いをされていた姿を見た事があり、私が思うプロ棋士の仕事は「指導碁」のみと思っていました。実際には大会を行うには大会の案内、大会の設営・運営に後片付けまでが必須です。※筆者も各種大会を運営しているので、他の大会に出場・引率する際は痛いほど大変さがわかります。

 大会に携わっている大半の方は、ボランティアスタッフの方が多いです。そんな中、プロ棋士の先生が手伝ってくださるのは大変恐縮ではありますが、勝手がわかっているプロ棋士の先生がされるのは本当に心強い事だと思います。

 大会が始まれば、大会時間の合間をぬって山本プロは指導碁をされます。それも尋常ならざる対局数で、私が見ている限りでは1日平均20〜30局はされていると思います。子どもたちと打つ事が多く、プロ棋士の先生によってはわざと?子どもたちに積極的に負ける先生も中にはいますが、山本プロの指導碁はガチ対局です。

 何百局と山本プロの指導碁を観戦して来ましたが、挑むこども達が勝っている姿を全く見た記憶がありません。だからこそ山本プロに勝つ価値は大変高いと筆者は思います。山本プロが囲碁で大切にされているのは挨拶と礼節です。※あいさつはご本人からお聞きしました。

 大会会場内での「おはようございます、こんにちは、さようなら」等は子どもたちより山本プロの方が率先的にされていると思います。また対局開始前の「お願いします」、終わり後の「ありがとうございました」等も必ずどんな時も発声されています。「信念」と「覚悟」を持って「囲碁普及」をされている山本プロを筆者は心から尊敬しています。

 筆者は山本プロと対局経験がありません。1度お願いした所「小野さんとは遊びではなく死闘になる(笑)」とおっしゃっていただいたのは大変ありがたいお言葉です。

 そんな山本プロを先日、筆者のこども囲碁教室にお招き致しました。その時の話はまた別の機会に…。

 信念を持った囲碁普及を「碁」for it(頑張る)!

山本賢太郎プロと食事

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