2026年06月02日(火)

コラム・エッセイ

(4)幻の金山(2)

再々周南新百景 佐森芳夫(画家)

 周南市夜市で幻の鉱山を探していた昨年の暮れのことであった。ついに、鉱山跡に行ったことがあるという地元の人に話を聞くことができた。さらに、鉱山跡の近くにまで行って、おおよその場所を教えてもらえた。

 そこは、今まで一度も探したことがなかった予想外の場所であった。これだけ範囲が狭まれば、発見できる可能性は非常に高いと思われたが、あいにく、その時に小雨が降り始めたので、日を改めて探すことにした。

 そして、年が明けてすぐに、探索を開始した。小川沿いの山道を登り始めると、すぐに道が途絶えて深いカヤの茂みに行く手をはばまれた。ところどころで、カヤに隠れた水の流れが落とし穴となって待ち構えている。

 平成19年(2007年)の航空写真で確認したところでは、この辺りには田んぼと思われる耕作地が広がっていたはずであるが、想像した以上に荒れていた。イバラのトゲに苦戦しながら、なんとか山の斜面にたどり着いた。

 そして、見通しの悪い藪状態をぬけた辺りを探している時に、落葉に隠れた小さな穴を見つけた。この穴が鉱山跡に関係するものかどうかは不明であったが、人の手によるものと思えることからかなり期待が持てた。

 しかし、後日、地主さんの許可を得て穴の周囲を掘ってみたが、残念ながら穴はすぐに行き止まりとなっていた。かなり古い時代のものであったのだろう。近くにもそれらしい場所があったが、発見に至っていない。

 それでも、周辺に「金」との関連を想像させるかのような「岡根(おかね)」や「道金田」という小字(こあざ)が残されていることから、個人的な意見に過ぎないが、古くからこの地域が特別な場所であったと考えられる。

 今までの探索では、地域内の数か所で金鉱石に関係すると思われる鉱石を見つけることができている。さらに、地主さんや地元の皆さんの温かい手助けがあることから、鉱山跡を発見できる日も近いものと信じている。

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