2026年10月23日(金)

コラム・エッセイ

(13)桜花爛漫(おうからんまん)

再々周南新百景 佐森芳夫(画家)

 気象庁から、「さくらの開花についてのお知らせ」が発表された。内容は、下関地方気象台のさくら(ソメイヨシノ)が、3月29日に開花したとのことであった。平年より3日遅く、昨年より7日遅い開花となった。

 気象庁が、わざわざ桜の開花を宣言する必要があるかどうかは、疑問を感じないわけではないが、その宣言を今か今かと待ちわびる人も多いと聞く。自分で確認すれば済むと考えるのは、余りにも夢のない話であろう。

 喜びをともに味わいたいとする国民性は、大切にすべきことに違いない。一人で花を見るよりも、大勢で花を見たほうが気分も盛り上がるはずである。しんみりとするよりも、うきうきしたほうが人は幸せになれる。

 桜の開花については、基準となる標本木が定められている。その標本木に5~6輪の花が咲いたときに開花した状態と認められる。かなりの念の入れようであるが、数値として記録されるものであれば当然であろう。

 そして、ついに4月5日には下関地方気象台のさくらの満開が発表された。平年より1日遅く、昨年より5日遅い満開であった。その桜の花の満開とは、花が咲きそろったときの約80%以上開花した状態のことをいう。

 今年の、開花から満開までの期間は1週間であった。途中には、激しい雨の日があったため心配されたが、大した影響を受けることなく満開の時期をむかえた。これだけ穏やかな天候の中での満開は久しぶりである。

 運良く桜の満開と土日の休みが重なったこともあり、桜の名所や各地で行われた桜まつりは多くの人でにぎわったことであろう。しかし、わざわざ出かけなくても、身近なところでも十分に桜を楽しむことができた。

 まさに、桜花爛漫のことばがふさわしいと思えるほどの今年の桜であったが、やがては終わりを告げる。ひらひらと静かに散っていくものもあれば、風に吹かれて桜吹雪となるものもある。いずれの落花も、美しい。

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