コラム・エッセイ
(26)送り梅雨(おくりづゆ)
再々周南新百景 佐森芳夫(画家)![]()
遠くで聞こえていた雷の音が、いつの間にか頭上で響き渡るようになると同時に、大つぶの雨が降り始めた。さきほどまで、晴れ間がのぞいていたはずなのに、突然の雷雨にずぶ濡れになった人もいたかもしれない。
鹿児島地方気象台の発表では、7月17日に九州南部が梅雨明けした。昨年より8日早く、平年より2日遅い。18日には、東海、関東甲信が梅雨明けした。昨年より東海が2日、関東甲信が4日遅く、平年より1日早い。
さらに、19日には四国地方の梅雨明けがあった。昨年より3日遅く、平年より2日遅くなった。未だに、梅雨明けをしていない地方は、山口県を含む九州北部、中国、近畿、北陸、東北南部、東北北部となっている。
早ければ21日、遅くても週明けの22日には山口県を含む九州北部の梅雨明けが発表されるものと思われる。突然、雷鳴とともに襲ってきた大雨は、梅雨明けごろに降ると言われる「送り梅雨」であったのかもしれない。
おそらく、そうであったに違いない。どこか名残惜しい降り方は梅雨の終わりを感じさせたような気がした。「送り梅雨」という言葉の中には、早く梅雨が終わってほしいという気持ちが込められているのであろう。
「送り梅雨」と同じ時期に使われる言葉に、「戻り梅雨(もどりづゆ)」がある。「戻り梅雨」は「返り梅雨」ともいわれ、やっと願いがかなって梅雨明けをむかえたが、再び、梅雨のような状態にかえることをいう。
7月21日、中国地方、近畿地方が梅雨明けしたとみられると発表があった。いずれも、昨年より5日遅く、平年より2日遅い梅雨明けであった。この日には、山口県など中国5県に熱中症警戒アラートが発表された。
それでも山口県の梅雨明けはなかったが、週明けの7月22日には山口県を含む九州北部の梅雨明けが発表された。昨年より3日早く、平年より3日遅かった。送り梅雨が終わり、これからは猛烈な暑さの夏が始まる。
