コラム・エッセイ
(31)ルドベキア(ヘンリーアイラーズ)
再々周南新百景 佐森芳夫(画家)![]()
わずか数年前までは、真夏の夜も扇風機だけで寝ていた。扇風機だけでは多少の寝苦しさもあったが、我慢できないほどではなかった。ところが最近になってそれが難しくなった。
仕方がないので、エアコンを使用するようになった。もともと、エアコンが苦手であったが、「他人事と考えず、暑さから、自分の身を守りましょう」などと言われると、イヤでも使用しないわけにはいかなくなった。
さらに、日中にまで「熱中症警戒アラート」が発令されるに至っては、冷房の効いた部屋から出ることができなくなった。もちろん、そのことが自分の身の安全を守るために必要なことと理解しているつもりである。
この息苦しいほどの暑さの原因となっているのは、地球の温暖化によるものかもしれない。もしそうであるとすれば、年ごとに状況は深刻化していくことが予想される。すでに、対策が取られているものも多くある。
たとえば、今年の夏の全国高校野球では、暑さ対策として新たに午前と午後の2部制が導入された。昨年には最大10分の休憩がとれる「クーリングタイム」が導入されていたが、対策がさらに強化された。
選手だけでなく、応援する生徒や保護者、大会運営者などを猛暑による被害から守るうえでも有効な処置と評価すべきかもしれない。しかし、絶対的なものではなく、今後も、状況に応じた安全対策が必要であろう。
「熱中症警戒アラート」のため、どこにも出かけられずに、冷房の効いた部屋から外を眺めていると、炎天下に咲いている黄色い花が目に入った。それは、今まで一度も気に留めることがなかった花であった。
その花を調べてみると、ルドベキアの一種でヘンリーアイラーズという名前だと分かった。ストローのような筒状になった花弁が非常に珍しい花で、イリノイ州の鉄道跡で偶然見つかったとされている。
