コラム・エッセイ
(56)ハクセキレイ
再々周南新百景 佐森芳夫(画家)![]()
富田川の様子がどこかおかしい。最初にその異変に気付いたのは、3ヶ月以上前の昨年の12月初頭であったような気がする。もしかしたら気がついていないだけで、それ以前から異変が発生していたのかもしれない。
その異変の内容は、富田川の流れや川岸にある一部の石に、白く変色した部分が見られることである。主に水に接した部分であるが、中には縞模様となったものもあるなど、変色の程度や幅は石によって違いがある。
川が増水した時に、その異変が解消されるのではないかと期待していたが、気がつくと再び現れている。どうやら、水にぬれている時には分からないが、表面が乾いてくると一定の部分だけが白く変色するようである。
そこで、天候を見計らったうえで、最初に異変に気づいた場所だけでなく周辺の状態を確認することにした。川沿いを歩きながら、白く変色した石を探していく。その結果、異変のあるおおよその区間が分かってきた。
その区間は、周南市土井と向土井の向上橋付近から下上の徳善と蔵掛の観音橋付近までであった。その区間の川のそばには、周南市立菊川小学校や菊川幼稚園があり、少し上流のそばには周南市立菊川中学校もある。
そこで、気になるのが、これらが起きた原因と影響であろう。身近なことだけに、不安がつのってくる。おそらく藻類がついたものであろうが、単なる憶測ではなく専門家による水質検査や原因究明が必要と思われる。
安全であることが明らかになれば、皆が安心することができる。不安のなかで見る風景よりも、不安が一掃されたときに見える風景の方が素晴らしいに違いない。また、異変も新しい風景として楽しむことができる。
川沿いを歩いていると、ハクセキレイが白く変色した石の上に飛んできた。「幸運を知らせる鳥」、「幸運を象徴する鳥」などと言われるハクセキレイが、その名前の通り、良い結果を運んで来てくれたと信じたい。
