2026年05月28日(木)

コラム・エッセイ

(91)柿の実

再々周南新百景 佐森芳夫(画家)

 12月3日の夕方、周南の市街地では初雪が舞った。雪が積もることはなかったが、いよいよ、雪の季節が来たことを知らされた。前々日の20度を超える暖かさからは、予測ができないほどの急激な気温の変化であった。

 下関地方気象台の統計によれば、雪の初日は、12月4日で、平年値より6日早く、昨年より18日早くなっている。降雪の初日が、周南と1日の誤差があるのは、地域差によるものか、計測によるものかは不明である。

 気象台のホームページには、令和2年2月3日より、雪の観測は目視による観測から機械による自動観測に変わったと書かれている。あくまでも推測であるが、そのことが日付のズレに影響しているのかもしれない。

 また、2026年の寒候年(かんこうねん)から、初霜、初氷の観測を終了するとも書かれている。寒候年については、前年の8月から当年の7月までの1年間の期間と説明がされているので、来年の7月で終了となる。

 さらに、令和2年2月3日には、霜と氷の終日の統計が終了したとも書かれていることから、来年で、目視によるすべての観測が終了することになる。長い間、ご苦労様と言いたいところではあるが、寂しくもある。

 整理すると、すでに統計が終了しているのが、霜の終日、結氷の終日であり、今年の冬で観測を終了するのが、霜の初日、結氷の初日である。統計が残るのは、機械による自動観測の雪の初日と雪の終日だけとなる。

 統計の終了は、時代の流れと言うべきであろうか。これらの数値がどれほど生活に結びついていたのか、どれほど社会に貢献していたのかは不明であるが、いざ終わるとなれば、日常の余裕の無さを感じることになる。

 初雪が舞ってから、雪が降らない日が続いている。雪景色を心待ちにしていた者にとっては、期待外れとなった。しかし、例年よりも豊作であった柿の実は、雪に落とされることなく残っている。これも風情がある。

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