コラム・エッセイ
段差に泣く高齢者
周南漫歩◎「ありがとうございます」―絞り出すような声で筆者にお礼を言われた声が忘れられない。周南市の富田東幼稚園に設けられた参院補選の政所東投票所でのことだ。
苦労して段差を越えた高齢者 (24日10時45分、富田東幼稚園)
◎本紙で問題提起したように、この投票所の入り口には10センチていどの段差が3カ所あり、車椅子や手押し車の人から「板1枚でいいから段差を解消してくれないか」と切実な声が上がっていた。
◎本紙に寄せられた高齢者からの投書に市選管は「複数の段差を解消するための効果的な解決策が見出せなかった」と回答した。素人の筆者は市選管の説明を何度聞いても理解できない。板1枚、わずか1万円以内で解決できる対応がなぜできないのか、今でもわからないでいる。
◎そんな折、24日の投票日にこの投票所の段差で苦労している高齢者を見かけた。段差のため男性の手押し車が上がらず、妻らしき女性も手押し車を引き上げられないでいた。
◎筆者は入り口から少し離れた投票箱のある部屋に向かって「すみません!」と声を上げたが、何の反応もない。筆者は「私が引き上げましょう」と声をかけて手押し車を引き上げた。その直後にとっさにスマホで撮ったのがこの写真だ。
◎市選管は本紙に掲載した投書への回答で「車椅子の利用者など足の不自由な人が投票所に来られた際は、すべての投票所で職員が援助、介助するように改めて徹底する」と明言したではないか。31日の衆院選でもまた、こんなことが繰り返されるのだろうか。板一枚で段差を解消できていれば、こんなことは起きない。(山上)
