コラム・エッセイ
[ベトナム]一人旅から学んだこと
周南漫歩◎海外の“一人旅”はいろんなことを教えてくれる。8月21日から24日までベトナムを訪問したが、同行者も添乗員もなく、ツアー参加でもない全くの一人旅だった。自分で航空券や現地の鉄道の切符を購入し、宿泊先を手配する、手づくりのベトナム紀行になった。
◎4日間のベトナム滞在中に出会った日本人は、中部のフエに派遣されているJICA(国際協力機構)の青年海外協力隊員の1人だけだった。久しぶりに日本人と日本語で話すことがこれほど新鮮なこととは思わなかった。
◎言葉の壁は片言の英語とスマートフォンの翻訳アプリで乗り越えた。筆者が理事を務めるNPO国際ボランティアIMAYAが医療支援してきたフエやハノイの皆さんとは、今まで以上の意思疎通ができた。初めて乗ったベトナムの寝台列車でも車掌とのやり取りに不自由はなく、ワゴン販売のおばちゃんとは友だち同然になってバナナをもらえた。
◎日本語を使えない不自由さは日ごとに消え、妙な自信と図々しさが増幅した。フエのフバイ国際空港で機内預け荷物にうっかりモバイルバッテリーを入れていたことがX線検査でわかって保安室に呼ばれた際も、自力で対応できたほどだ。
◎そんな経験をしながら逆のパターンに思いが及んだ。日本を訪れたばかりの外国人にどれだけ我々は親切にできているのかと。言葉の壁を乗り越えられない外国人は多いだろうし、日本独特の習慣に馴染めず、寂しい思いをする外国人もいるのではないか。ベトナム一人旅の経験から今後の新しい取材テーマをもらった気がした。
(山上達也)
