コラム・エッセイ
6月作品(その二)宿題「雨」 松永よし子 選
下松多宝塔川柳会降り続く雨は記憶の蓋開ける 浦川うらら
雨上りかがやいている草も木も 鍵谷珠枝
雨の前体のセンサー点滅中 佃元気
雨降りにポンポン踊る水溜り 樫部昭榮
雨あがり何かいい事ある気配 末光康英
災害と慈雨に別れる雨の量 神田鈴佳
本降りになってしまった内輪揉め 中村好徳
風雨激しその刻もあり若い日々 栗田梧空
雨上る陽に雑草は背伸びする 神田鈴佳
ふり向いたあなたの腕に雨やどり 中原童士
雨の夜酒の相手は八代亜紀 河村紅衣
雨粒が踊って跳ねて万華鏡 浦川うらら
雨の日は子供嬉ぶ水たまり 末光康英
移り気なアジサイ雨と恋に落ち 樫部昭榮
鋭角の雨が近頃多くなる 末光康英
雨上り小蛙ジャンプして隠れ 河村紅衣
雨あられ歯の浮くような美辞麗句 有海静枝
たまにゃあねテレビうたた寝外は雨 滝川茶々
雨だれが子守歌です午後の本 有海静枝
(秀)自己嫌悪さらに叩くか雨の音 有海静枝
家路へと自転車漕ぐ子雨が打つ 選者