コラム・エッセイ
咲いたコスモス
ちょこっと豆知識 立入塾「咲いたコスモス、コスモス咲いた」教室に入って来た理系女子のUさんがあいさつ代わりに口にした言葉と笑顔を今でもよく覚えています。もう10年以上前のことです。私がその言葉の意味を訊ねると、彼女は「今日の学校で三角関数の、」と説明を始めました。私は彼女を遮るように「加法定理だね。」と続けました。
「咲いた」はサイン、「コスモス」はコサインの語呂合わせと言う訳です。三角関数に関する公式は数が多く、微分や積分の問題では、それらの公式を巧みに使わないと解けないものが多くあります。特に加法定理は基本的な公式なので、受験生ならば理系でなくても使えるようにしておきたい公式です。
三角関数の公式の証明は、座標軸の中に描かれた複数の三角形を参照しながら、式を変形していきます。図は煩雑で、途中でどこの角や辺を指しているのかが分かりにくくなり、理解する気持ちが薄れていきます。授業で、黒板に雑然と書かれた三角形と何行にも及んだ式の最後にたどり着いた公式を指し、先生は安堵の表情で、「途中はいいから公式(最初と最後の式)だけ覚えて下さい。」と言われたことを、私も記憶しています。彼女の授業でも同じように公式だけは使えるようにと言われ、付け足しとしてこの語呂合わせを教わったとのことでした。
先日、ネットで入試問題の解説動画を見ていた時のことです。少し難しめの積分の問題です。私は先ずは「合成」だなと思いながら見ていると、先ずは合成を使って与式を変形していきますと、解説が始まりました。しかし、私の予想はいきなり外れてしまいます。学生時代何とか頑張って丸暗記した複雑な合成の式が、わずか数行の変形で簡単に導き出されました。そこから先の積分の解法よりも、合成の変形に感動してしまい、まだまだ学ぶことがたくさんあるものだと思い知らされました。きれいなコスモスの花を眺めながら、三角関数を思ったり、宇宙のことを考えたりと。
協力: 立入塾 周南市開作北819-7 TEL.0834-25-4553
