2026年06月20日(土)

コラム・エッセイ

防災はまちづくり? 《まさかの北海道地震で思ったこと》

おじさんも頑張る!~山の話あれこれ~ 吉安輝修

 またまた番外となる。今年は台風の発生回数が例年になく多く、度々やって来る。9月早々に非常に強いという台風21号が日本列島に近づき、今度こそ直撃かと気をもみながら進路予想図を眺める日が続いた。何とか山口県へ直接被害はまぬがれたものの、四国や近畿地方ではとんでもないことになっていた。

 関西空港では高潮で滑走路が水没して閉鎖。さらに連絡橋は強風で流されたタンカーが衝突して橋げたがずれるなど、まるで映画の一場面のようなことが起きていた。大阪などは地震の傷跡も癒えぬうちに塩をすりこまれたようなものだ。

 そして今回の北海道地震だ。毎週のように日本全国で豪雨、台風、地震と自然災害が猛威をふるう。豪雨などほんの少しだけ通り道やタイミングが変われば明暗を分けることも身近で見たばかりだが、地震となると予兆なしにいきなりだ。

 しかも夜明け前の寝入っている時間帯ともなれば逃げるに逃げられない。震源近くの厚真町では裏山が崩れて家が土砂に埋まっている様子をテレビが映していたが、恐らく瞬時のことで家から出る時間もなかったと察する。もはや日本のどこにいても絶対に安全な場所などないとつくづく思う。

 実は北海道には友人知人も多いのだが、震源の近くのむかわ町に学生時代にワンダーフォーゲル部で寝食を共にした友人がいる。その日の朝、テレビで惨状を目にして知らん顔が出来なくなった。

 震度6強の報道に被害はかなりのものだろうなと19、20歳のころのままの顔を思い出しながら心配した。恐らく電話はだめだろう。メールにしようかと迷ったが、結局は携帯電話にも負荷の少ないSMSで短く「大丈夫?」とだけ送った。

 混乱の最中なのは承知しているので返信など期待していなかったが、しばらくして「たいへんな状態です。今までにない震度で家の中がぐちゃぐちゃです。どこから片づけたらよいか…体は大丈夫です。心配してくれてありがとうございます!」というやけに丁寧な返信があった。

 短い文だが、家財などが倒れて散乱している様子が目に浮かぶ。丁寧な言いかたは自らを落ち着かせようとあえて選んだのだろうかとも思ったが、何よりケガはないようでひと安心だ。近くに孫が住んでいると以前聞いていたが、そちらも心配だろうし、家も無傷ではないだろう。ライフラインも止まっているようで、しばらくは不自由な生活を強いられるだろう。

 これ以上のことを今、無責任に尋ねてもいらぬ手間をかけさせるだけだ。体が無事ならひとまずは安心だ。「よかった!体が無事で何よりです」と短く返す。

 女房とテレビに映される惨状を観ながら「ボランティアにでも行きたいが、新千歳空港も閉鎖されているし鉄道も止まったままじゃあ、行きとうても行けんのお」とつぶやく。もっとも人に秀でた技能があるわけでもなく、身一つで飛行機に乗って行っても衣食住の完結が出来なければ妨げにしかならない。

大阪は地震の傷が癒えぬ間に台風が来た=各地で災害ごみが集積されている

「大丈夫?」と送ったら丁寧な返信があった

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