2026年10月17日(土)

コラム・エッセイ

防災はまちづくり?《秋の周南市総合防災訓練に向けて》

おじさんも頑張る!~山の話あれこれ~ 吉安輝修

 秋に周南市総合防災訓練が須金で開催されることは前にも書いた。この訓練はオリンピックのように毎年、市内各地を回りながら開かれる。特筆されるべきことかはわからないが、中山間地では初めてだ。

 市街地域に比べて圧倒的に人も少なく高齢化率も高い。人材にも限りがある条件で、過去と同じことは出来もしないし、非現実的な災害想定では意味がない。過疎の進むわがまちならではの課題を整理した訓練にしなくてはならない。

 ところで、過去の防災訓練の開催地がどんな手順で決められていたのか知らないし、数年先までの候補地があったのかもしれないが、実は自らが次回は須金で開催しようと手を上げた。激しい誘致合戦があり、あらゆる手段を使わなければ誘致に成功はしないとは思っていなかったが…。

 そうそう、誘致合戦といえば、日本でオリンピック開催をと、東京都や国が総力を挙げてアピールし、プレゼンでの“お・も・て・な・し〟は流行語にまでなって東京開催が決まるとお祭り騒ぎをしていたのを思い出す。何しろオリンピック誘致の経済効果は30兆円とも言われ、経済界には垂涎(すいぜん)の一大イベントとなるのだ。

 今でも都心のホテルはほぼ満室という高稼働率で推移しているというが、2020年には訪日外国人観光客を倍の約4千万人にするという目標もあるようで、宿泊施設も建設ラッシュという。

 さらに期限付きの競技会場をはじめ都市インフラの突貫工事などでゼネコンはじめこの業界は好景気に勢いづき、工事資材や人件費の高騰などの余波は日本中に影響が出るほどだ。

 しかしどう考えても防災訓練を開いたからといって経済的なメリットなど望めない。ゲストに人気芸能人を呼んで一大イベントにでもすれば、須金のような田舎にでも何千人単位の人が集まり、屋台でも出せばそれなりにお金が落ちるかもしれない。

 でも、そういう趣旨のものではない。むしろ経済的には度々の話し合いで仕事の段取りも狂うし、会場の光熱費をはじめ資料の印刷代なども意外とかさんでむしろマイナスだ。

 それじゃあ何のためにするかだ。実は、須金では数年前から市の総合防災訓練に連動して独自に訓練をしている。当初は全くの手探りで、正直なところ訓練のための訓練であり、自分たちで何ができるかを模索するためだけだったような気がする。しかし、回を重ねるごとに訓練の課題というより、須金という地域そのものの課題が見えてきた。

 ずばり、ハイスピードで進行する高齢化と集落内の戸数が激減し、共助力など全く期待できない現実だ。これに知らぬ顔をして炊き出し訓練などしても、しかたがないことに気付いた。

須金では毎年、独自に防災訓練をしてきた

小学生と避難所体験

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