2026年06月20日(土)

コラム・エッセイ

防災はまちづくり? 《秋の周南市総合防災訓練に向けてⅡ》

おじさんも頑張る!~山の話あれこれ~ 吉安輝修

 平成30年度の周南市の防災訓練は11月に開催されるが、須金では早々に昨年の暮れから企画づくりにとりかかっていた。同じやるなら須金の抱える課題を整理し、それらを解決するための実践的な訓練にしようと気勢を上げる。次々に斬新なアイデアが浮かび、それらを書き出してみると盛りだくさんなものになった。

 地元の見識ある方からは「人材に限りがある中で、なんと無謀なことを〜」「落ち着け」「冷静になれ」と何度も諭され「出来ませんでしたではすまされないよ」と釘を刺された。確かに多少の興奮状態は否めないが、根底にあるのはわがまちの課題解決だ。過去の例を模倣してもしかたがない。

 それじゃあ、わがまちにはどんな災害が起こり、防災の視点ではどんな課題があるのだろうか?というところから話が始まったが、防災訓練をするにあたっての一番の肝は“災害想定〟をどうするかだ。

 南海トラフ巨大地震が高確率で起こるというが、市街地や沿岸部では津波に対する危機もあろうが、須金ではまずやってこない。近年の経験からは大雨による洪水や土砂災害などが一番に脳裏をかすめる。もちろん地震は南海トラフだけでなく県内にも多くの活断層が走ることから、少なからず影響はあるだろう。

 そこで侃々諤々(かんかんがくがく)の議論の末に出た災害想定はまるでドラマの題材にでもなりそうなものだ。笑わずに想像してほしい。

 「2日前からの大雨に続き震度5強の地震が発生して家屋倒壊もあり。須金に至る幹線道路の国道434号線は土砂崩れのため通行不能となり、孤立して停電。電話、インターネット、テレビなどの通信インフラはすべて途絶。各集落に至る道路も通行不能個所あり。錦川沿いの山が崩れて土砂ダムとなり、水位が上昇中」というものだ。

 大雨のあとに地震が起こるというW災害は自分たちの暮らす地をこれでもかといじめまくる自虐的な想定だ。「ええ大人が集まってそねえなことを本気で話しよるんか」と呆れられそうだが、決してSFではない。一つ一つは単発で起きていることだし、それらが同時に発生したとしても不思議ではなく、現実に起こる可能性があるのだ。

 問題はここからで、須金が陸の孤島となってしまった以上は外からの助けは絶望的だ。限られた公助機能では、地震など広域に及ぶ災害時は市内から遠隔地でもあり、人口も少ない地区の優先順位は最下位になることは覚悟しなくてはならない。そうなると、須金で暮らす者が何とかしなくてはならない。

 各集落や道路の情報をどうやって集めるのか。一人暮らしのおばあちゃんなどの安否確認は誰がするのか。地震で家が倒れて下敷きになった人を誰がどうやって助けるのか。被災した人の避難誘導は誰がするのか。避難所も開設しなくてはならない…。これらの情報を外部に伝えることも必要だ。

 確かに訓練とはいえ、これを須金の力だけでこなすのは大変なことだ。

孤立したら公助も期待できない=住民で完結する仕組みが必要だ

災害時には情報収集とそれを整理する必要がある=情報の可視化訓練

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