コラム・エッセイ
防災はまちづくり?⑮《大阪北部地震から思うこと》
おじさんも頑張る!~山の話あれこれ~ 吉安輝修大阪北部地震が発生してから1週間が過ぎた。この間にブロック塀が倒れて小学生の女の子が下敷きになり、命を落とすという痛ましい出来事が発端で、全国のブロック塀の一斉点検につながり、違法性のある塀は取り壊すなど素早い対応がなされた。
もっともこれは公共の施設に限ったもので、民間の財物となれば費用負担なども絡んでくるだろうし、すんなりとはことは進まない。ブロック塀に限らず、構造物のすべてに言えることだが、大昔に作られたものであれば、当時は基準そのものが存在しないか甘かったかもしれない。これらは災害で壊れればそれまでだが、後は建て替えや再開発などの時を待つしかない。
今回の地震で犠牲者が一番多かったのが家具などの下敷きだが、この対策ならそれほど大げさな工事は必要ない。数百円の金具を取り付けるだけでリスクは低減できるのだ。家が瞬時に倒壊するような超巨大地震なら何をしても効果はないかもしれないが、個人レベルで地震に備える第一歩にはなる。
特に人間が一番無防備なのは寝ている時だというが、せめて寝室の背の高い家具に「家具転倒防止器具」を取り付けることで、深夜あの真っ暗闇であっても、まずは「命を守ることができるのだ。
自然災害には洪水や土砂崩れなどいろいろあるが、これらは前もって注意報や警報などが出るので身構える時間がある。しかし地震は予兆もなくいきなりだ。緊急地震速報なんて出たと同時に揺れるので、逃げ出す時間などないと思わなくてはならない。みなさん、ぜひとも家具転倒防止器具の取り付けの検討を。
それと今回の地震は大都市圏での災害ということもあり、さまざまな混乱があった。ニュースでも度々報道されたが、高度にというか、複雑に発達した交通網のまひで帰宅難民問題も考えさせられた。
多少の混雑はあっても分刻みで正確にやって来る電車や地下鉄は何千何万という大量の人を効率よくさばいてくれる。以前、東京で電車が人身事故で運転見合わせという場に遭遇したことがある。しかし並走する他社の路線で目的地にたどり着くことができた。
もっともこちらは典型的なお上りさんで、息子の後をどこをどう通ったのかもわからぬままついて行っただけの話だが、全く都会というのは便利じゃのうと感心した。ところが今回のように一時的にでもすべての交通網が動かなくなると、もうお手上げで、大混乱に陥るのだ。
その昔、地方に暮らす者は、いつかは東京だ、大阪だと羨望(せんぼう)の地だったはずだが、一つ歯車が狂うと、これほど不便で不自由なところはないなとつくづく考えさせられた。都会は小金を持ち合わせて何ごともなければ格好よくスマートに暮らせるかもしれないが、ちょっとしたアクシデントにうろたえ、おびえなければならないのだ。
都会は小金を持ち合わせて何ごともなければスマートに暮らせるかもしれないが…
