2026年06月20日(土)

コラム・エッセイ

防災はまちづくり?④ 

おじさんも頑張る!~山の話あれこれ~ 吉安輝修

 家具転倒防止器具といっても種類も多く、家具や家の状態で取り付け方も変わってくる。田舎の人間はDIYを基本に生活しているのでおおよその見当はつくが、女性は道具類の名称やねじの規格など初めて耳にすることも多く、住民のみなさんから相談があっても適切に答えられないかもしれない。

 そこで改めて家具転倒防止器具の種類や効果、取付方法を勉強しようということになった。

 周南市では自主防災アドバイザーの派遣制度がある。防災に関する専門的な知識を持った方が各地に出向いて出前講座をしてくれるというものだ。しかも無料というから使わない手はない。

 夕方、仕事帰りに集まって研修会を開き、多くの種類の器具から適切なものを選んで取り付けることの重要性を学ぶことができた。

 ただ、気になるのは、いくら研修を受けて器具を提供しても、責任が持てるかどうかだ。どんな大きな地震がきてもこの器具を取り付けていれば安全です、絶対にこのタンスは倒れませんという保証はできない。気休めとは言わないが、限界があることは伝えなくてはならない。

 でも何もしないよりは、はるかに安心度は増すし、取り付けようという意識を持ってもらうことは自分の身を何とか守ろうという自助の心構えが芽生えているということでもある。災害に過去の経験や言い伝えなど通用しなくなった昨今だからこそ粘り強く推進しなければならない。

 本当の、というか最大の対策は寝室に倒れてくるような家具など置かないことだが、長く生きているといろんな思い出の品や捨てられない自分だけの宝物も増えてくるのは痛いほどわかる。我々は「どうせ次に使うことはないでしょう」などとは言えないのがつらい。

 さっそく須金版補助事業開始だ。もちろん目標は100%達成だ。告知のチラシも可能な限りイラストなどを使って親しみやすいものにした。メンバーが手分けをして自治会や敬老会など諸々の集会でも広報活動をした。

 基本は寝室のタンスなど背の高い家具が対象だが、金額に上限を決めて希望があれば台所や居間の家具でもOKにするなど柔軟に対応しよう。事前調査はもちろん、器具類の手配や取り付けの支援も手弁当だ。工具類もメンバーが自家用のものを持ち寄ってのことだ。

 この取り組みはお役所仕事ではないという自負もあるし、住民同士の助け合い活動だとみんな思っている。

 しかし、そこまでの覚悟と思いで動き出したものの、果たして取り付け希望者がどれだけ名乗り出てくれるのだろうか。

 ところが、ふたを開けてみると、1件、2件と申し込みがあるではないか。

転倒防止器具取り付けを知らせるチラシ

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