コラム・エッセイ
今年の初登山2018⑥
おじさんも頑張る!~山の話あれこれ~ 吉安輝修若者たちと先行し、歩きだして2時間半ほどでほとんど視界のきかない山頂に立った。さすがに中国地方を代表する人気の山だけに、正月早々、しかも天気もパッとしない状況でもカラフルなジャケットを着た何人もの先客がいる。ゴーグルやサングラスで顔の半分は見えないが、身のこなしかたから、どうやら若者のようだ。
中高年の登山ブームは相変わらず続いているようだが、近ごろは若い登山者が増えた気がする。世の登山者の数でいえば中高年層が圧倒的に多いとは思うが、以前より若い世代の割合が増えているのは確かだ。山頂の先客もだが、登る途中ですれ違う人の顔を見上げても若い人が多かった。
もっとも、雪山となればそれなりの知識や装備も必要になるし、寒さが堪える年齢となれば、よほどの物好きでないとわざわざ風雪の中を歩こうなどとは思わないのかもしれないが…。
往時の登山者はむさ苦しいのが当たり前。今ほど軽量化などという概念もない。重くて丈夫なだけがとりえの靴やザック姿で重荷に耐えて歩くことそのものが美学であり、不快に耐えるかやり過ごすことが技術の一つだと信じていた。
しかし、世も変われば価値観も変わる。スマートな遊びやレジャーが続々と登場し、登山などという3Kそのものに手足がついたような無粋な行為など、真っ先に敬遠されてしまうことになる。
今は山道具も進化し、高機能かつ軽くてコンパクトなのは当たり前になってきた。これが体力の落ちて来た中高年の登山寿命を延ばしているのかもしれないが、山ガールとか登山女子などと呼ばれる若い女性の参入壁も低くなった。そうすると、若い男性も比例して増えてくるのは容易に想像できる…。
とはいうものの、以前、山小屋で働くお姉さんが「山ガールはどこから見ても華やかなファッションにまとめているが、登山女子はジャージーで歩く」と話していた。もちろん明確な定義などないとは思うが、若い女性でも「硬派」はいるよ。私は山に真摯(しんし)に向き合っているよ。というメッセージだととらえた。
よく「形から入る」というのを聞く。決してそれが悪いとは思わないが、山という舞台に上るのに、衣装選びはさほど重要ではない。山に何を求め、どんな姿勢で臨んだか、そして何を学んだかの終わりのない繰り返しで、世間でいうところのPDCAサイクルそのものかもしれない。
せっかく山にのめりこんだ若い登山者の皆さん。おじ(い)さんになってもこうやって山に向き合えるなんて素晴らしいとは思いませんか?山という同じ舞台の上で若い人たちと動けるなんておじ(い)さんにとっては無類の至福なんですよ。長ーく続けて欲しいなあ。
先客は身のこなしかたからするとどうやら若者のようだ
山という同じ舞台の上で若い人たちと動けるなんておじ(い)さんにとっては無類の至福だ
