コラム・エッセイ
今年の初登山2018②
おじさんも頑張る!~山の話あれこれ~ 吉安輝修もう20年近く乗るボロ車だが、後部座席をたためば足を延ばして寝ることのできるお気に入りのキャンピングカーになる。ここ伯耆大山(ほうきだいせん)にも四季を通じて何10回と足を運んだが、九州や四国の山にも随分と通った。
特に大山で車中泊をする際には駐車場はもちろん、車を停める位置や車の向きまで決めている。百名山の一座ともなれば他県ナンバーの車もよく見かけるし、冬はスキー客も多く、このお気に入りの場所に先客が駐車していることもある。
しかたなくほかを探して寝支度を始めるが、何となく居心地が悪いというか違和感がある。寝袋に潜りこめば一緒のはずだが、マイホームの寝室ではないが習慣の一つになっている。決して繊細な神経など持ち合わせてはいないのだが…。
今年の初登山は運よくお気に入りの場所に停めることができた。ようやくお屠蘇(とそ)がわりの缶ビールをクイッとあおる。寝袋の中で要領の悪さ故の慌ただしかった一年を振り返り、今年の山の目標をあれこれと巡らす。
終活も含めてやり残した雑事も多く、やらなくてはならないことは山積し、山歩きどころではないのだが、体力があるうちに挑戦したいルートは多い。数年前から知床半島は根北峠から知床岬を目指して踏跡を延ばしている。
当初の計画ではとうに到達しているはずなのに悪天候に捕まり、遅々として進まない。吹雪で行動できずに数日間テントで停滞ということも多い。とはいうものの海別(うなべつ)岳、ラサウヌプリ、遠音別(おんねべつ)岳といった峻険なルートはつなぐことができた。あとは東岳から知床岳といった岬が視程に入る終盤戦となる。
日本アルプス縦断も白馬岳から親不知に下って日本海にタッチするという目標も忘れていない。
そもそも山歩きを始めた原点は子どものころに叔父からことあるごとに山の話を聞かされ、八ミリフィルムで撮った山の風景をふすまに映してくれるのを喜々として見て、興味関心が深まったからにほかならない。
その叔父が昨年、悪性リンパ腫に冒された。一時はどうなるかと心配したが、幸い抗がん剤が功を奏して治癒はした。今は闘病中に落ちた体力を回復するために運動に励んでいるとのことだが、今年の夢は北アルプスの槍ケ岳に登ることだという。その夢をかなえるためにも全力でサポートしようと思う。
ちなみに叔父はとうに80は過ぎている。それでも登ろうという気力というか気概は素晴らしい。家族は心配して諸手を上げて賛成してはいないだろうが「人生とは永遠の挑戦」を身をもって体現する姿に感服する。
翌朝、まだ暗いうちに目が覚めた。天気予報はぱっとしないが、荒れることもないようだ。続々と集まる仲間と合流し、新年のあいさつもそこそこに登山口の大山寺に移動。さすがに標高が高いだけに、除雪した雪が山になっている。
知床の縦走=吹雪で停滞も多い
越えてきた山を振り返る=根北峠から羅臼岳まで歩いた
大山寺は除雪した雪が山になっている
