2025年10月02日(木)

コラム・エッセイ

「W横山にあやかれ」

おじさんも頑張る!~山の話あれこれ~ 吉安輝修

 社会性とか協調性といった大人の気配りが不要な勝手気ままな山暮らしも久しく性に合う。集団行動など所詮は無理だと自覚はしているが、それでも「ひらちゅうランニングクラブ」に図々しく気まぐれに顔を出し、勝手に走って都合で帰るというわがままな年寄りを許容してもらっている。除名宣告もなく末席に留め置いてもらっていることを有り難く思う。

 近頃は慢性の腰痛に加えて予期せぬ怪我や故障が続き、先日来の発作的なひざ痛に湿布薬が手放せない。そろそろ走りも卒業の潮時かと気弱にもなるが、走りのフォームやペースを指摘改善されたりと学ぶことも多く、モチベーションも何とか維持出来てそれなりの成果が出ているのは確かだ。コロナ禍でランニングからも完全に遠のいた数年間で、まともに1㌔さえ走れなかったのが徐々に走りの感覚を取り戻しつつある。もちろん加齢による衰えは凄まじく、元には到底戻れないが何もしなければ老いの加速は増すばかりの脅迫観念もある。

 いつも感心するのは小学生や中学生のジュニア部門は指導者の熱意が伝わり、この暑い中でもまじめに練習メニューをこなし、脱走者もなく礼儀正しく挨拶もきちんとできる姿だ。まずはここに送り出す親の気持ちがあってのことだが、指導にあたるコーチ陣の意気込みにも感心させられている。

 つい先日のこと、走り始める前に寺子屋と称した子ども達への講話を一緒に聞く機会があった。テーマは困難があっても努力し続けること。目標を諦めないで追い続けることだった(と思う)が、例として夏の甲子園に出た県立岐阜商業の横山温大選手と24時間テレビでチャリティーマラソンを走った歌手の横山裕氏の“W横山”について話された。

 実は横山温大選手は多少見聞きした記憶があるが、恥ずかしながら横山裕氏については全く知らなかった。帰って調べてみると両氏とも日本中を感動させるエピソードの持ち主であることを改めて知った。体の障がいや複雑で困窮する家庭環境下でも夢を諦めず、努力し続けてきたからこそ甲子園の土を踏むことが出来たし、歌手として俳優として成功したことに間違いはない。

 この講話を聞いた子ども達がどう思ったかは分からないが、少なくても“W横山”よりも恵まれた環境や体であることを再認識したことだろう。目標とか夢といった漠然としたものを僅かでも自分に置き換えることができたかもしれない。自分の夢とは?と自問自答しているかもしれない。

 講師は最後にどんなに頑張っても必ず夢が叶うことはないかもしれないけど、努力し続けたことは生きていく上で必ず役立つときが来ると結ばれて同感する。

 腰が痛いだの膝が痛いだのと言い訳も多く、猛暑だ酷暑だと早々に缶ビールを手にすれば今日の練習はまあいいか…と、甘やかす日が続く。だが、“W横山”にあやかれと、今日こそは明日こそはと腰を曲げ、膝をさすりながらMっ気たっぷりに走り出す妄想だけは怠らない。

指導者の熱意が伝わり暑い中でもまじめに練習メニューをこなす

ひらちゅうでは人間力を高めることも大事にしている:寺子屋での講話

努力し続けたことは必ず役立つと結ばれた。同感だ

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