コラム・エッセイ
「上げ膳据え膳」
おじさんも頑張る!~山の話あれこれ~ 吉安輝修再び牛がやってきた:残暑が続き草の成長も益々盛んで有り難い
大汗をかいて牛を迎える準備を済ませた:2、3日は何もしないで骨休めがしたい
定年後に農林業の真似事をし始めて久しい。所詮は年寄りのやることなので規模拡大とか生産量を劇的に増やそうとかの壮大な夢などは毛頭ない。そもそもは荒れ果てて獣の棲家になってしまった裏山を何とか子どもの頃に見た里山の風景に戻したいというノスタルジックな妄想から始めたことだ。
とは言え些少でも収益を上げようと思えば、優雅に晴耕雨読など初めから思ってもいないが、一年中やることは山のようにあるのが現実だ。
ざっくりと作業の大半は雑草との戦いで、ちょっと油断すると背丈ほどにも伸び、農地だか原野だか分からないほどになるが、救世主となるのが牛を放牧しての“舌刈り”だ。
長らく続けて大いにその効果に助けられているが、この牛達はあくまで期間限定の借り物であり、貸主の都合ではこちらの目論見通りにならないこともある。
今年は7月の末に早々に引き上げていった。これからが草の成長の盛りというタイミングだが、貸し手の都合なら仕方がないか…。
トラクターも除草で頑張る。20年前に20年使ったという古物を譲り受け、手を入れながら快調に動いていたが、作業中に突然白い蒸気が吹き出した。確認するとラジエターのホースが傷ついていたのが原因で、致命傷でないことに一安心した。すぐにメーカーの営業所に電話して新しいホースを発注した。二日もすれば入荷するとのことだが、作業計画は天気との駆け引きで二日は大きい。
そのタイミングでまた牛を入れられるという連絡が来た。残暑が続き草の成長も益々盛んで有り難いのだが、牛のいない2か月の間に電気牧柵の手入れが滞っていてその整備も急ぐ。
伸びた草が電気柵に当たると漏電で電圧が下がり牛の脱走につながり、借り物だけに行方不明となっては大変だ。少しでも早く整備を済ませたいと連日吹き出る汗で全身ドロドロになって頑張る。
その最中に注文したラジエターのホースは機体の製造終了後35年以上経っているのでもう供給していないと電話があった。困った。何とか仮にでも補修しなければ…。
大汗をかいて牛を迎える準備ができたし、ラジエターホースも無事?復旧できた。やれやれ一安心。二、三日くらい何もしないで骨休めしたいなあ〜
その濃密かつハードな作業が原因とは思わないが、作業中に転倒して右の脇を強打した。尋常でない痛みにまた肋骨をやったかと、そろそろと起き上がって軽トラを運転して近くの医院を受診。
CT検査の結果すぐに大きな病院に行かなくてはとストレッチャーに移されそのまま救急車で中央病院へ。
肋骨が3本折れ、肺に達して穴が開き出血と空気が漏れて肺が縮んでいるとのこと。結局8日間の入院中は横になると激痛で夜はほとんど眠れなかった。
想定外の骨休みとなったが、三食の「上げ膳据え膳」で体重は2キロ増えた。
夜なべ仕事でラジエターホースを復旧させた
