コラム・エッセイ
祖母〜傾山縦走記② 《これがなければ話にならない!》
おじさんも頑張る!~山の話あれこれ~ 吉安輝修予定していた唐松岳から親不知の日本海にタッチする計画は何事もなければ山中で3泊。余裕をみて4泊の計画を立て、さらに予備で2泊分の食料などを用意していた。以前同じ時期(9月末)に北アルプスを歩いた際に覚悟はしていたものの日没以降の低温はこたえた。重量最優先で夏用のペラペラで向こうが透けて見えるような寝袋でもカッパでも何でも着れるものを全部着れば何とかなるとケチったばかりに震えながら朝を待った苦い経験があり、今回はひと回り大きな寝袋を用意した。テントも天気の良い日に外でひろげて入念にチェックして押し込んだ
そういえば昔の山道具は丈夫だけがとりえの重くかさばる無骨な物が当たり前で、一週間分の食料はじめ、燃料やテント、コンロなどを帆布製の特大のキスリングに詰め込むとふたが閉まらないばかりか、入り切らない物をロープやゴム紐で上にくくりつけていた。目方は30キロを超えることが普通で、重荷が肩に食い込み顔を上げて歩くなんて不可能だ。特に入山初日はあまりの苦しさに、何で山なんかに来たんだろうと後悔することさえあったことを思いだす。
今回は容積が50リットルのザックに何とか収まったし水を4リットル入れても総重量は20キロほどだ。もっとも装備を厳選したというか便利グッズの類は一切排除したし、兼用できるものは兼用するというスタンスをつらぬいた。
例えば鍋、食器、コップといったそれぞれの機能は食器一つで済ますことができる。最近はご飯もフリーズドライでお湯をコップ一杯分注げば15分でもどる。その間に他の用事をしながら頃合いをみておかず用の湯を沸かしその中にフリーズドライのカレーでもスープでも落とせば完成だ。ご飯は袋のまま食べればよい。先がシリコンゴム製のスプーンで内側をこさぎ取るように食べれば99%以上は胃袋に入れることができるし、金属同士があたってカチャカチャと無機質な音を立てないのも良い。食後にもう一度お湯を沸かしてお茶やコーヒーを淹れればコップも不要だ。多少はカレーの香りが残るが、熱いうちにこのスプーンで食器の内側を丁寧に撫でて溶かし込んで飲んでしまえばほぼ100%きれいになって洗う必要もないし、これが固い金属やプラスチックのスプーン、ましてや箸ならどんなに時間をかけても残ってしまう。
ただ先の形状が角スコップのように平らなので、点ではなくて線で当たるので食器をきれいにするには良いのだが、一般のスプーンのようにくぼみが少ないのですくい取るのは少々の難がある。それでもカレーがギトギトについた食器でお茶を飲まなくてよいなどメリットのほうがはるかに上回る。…話が脱線してしまった。
このザックで日本中どこの山でも1週間は歩けるが、あと絶対必要なものがある。それはその山域の地形図だ。これがなければ話にならない!
「最近はご飯もフリーズドライでお湯をコップ一杯分注げば15分でもどる」
「シリコンゴムのスプーンでこさぎ取るように食べれば99%以上は胃袋に入れることができる」
