2026年06月20日(土)

コラム・エッセイ

今年も「走れ!おじさん」⑬《向道湖マラソン大会Ⅰ》

おじさんも頑張る!~山の話あれこれ~ 吉安輝修

 例年、菅野湖畔十マイルレースが終われば前年の秋からのランニングシーズンが終わる。それから秋までの半年間は一歩も走らない日が続くのだが、今年に限って若干延長することになった。何しろこの菅野湖のレースで前回よりもわずかだが記録を更新できたことで調子に乗ってしまったのだ。

 もっとも、須金ランナーズのみんなと走るのにあんまりにもみっともないゴールをしたら格好が悪いかも…という体裁を気にして実力以上に見栄を張った結果だ。当然のことながら走り終えてもしばらくは立ち上がることが出来ないほど追い込んだ。これも結果といえば結果だが、歳相応の走り方ではなかったと反省もした。

 とはいえ、十九や二十歳のころならいざ知らず、歳をとってからの一年は坂を転がり落ちるように体力が落ちることを実感するが、前回より記録が良いというのはいささかの自信にもなった。まだやれるかもと妄想が始まってしまったのだ。

 須金から一山越えた大向で毎年四月に「向道湖マラソン大会」が開催される。今までこのレースに出ようなどと考えたことはなかったのだが、距離が十キロというのがお手軽そうで気になってきた。今ならきっと快調?に走れるに違いない。とうとう勢いで参加を申し込んでしまった。

 身近な地区でもあり、おおよその土地勘はあるのだが、コースの全容は知らない。路面や起伏といった、車で走っただけでは気にならないことが、走るとなると心配になる。一度はコースの試走、もしくは下見だけでもしておきたかったのだが、かなわないまま本番の日を迎えてしまった。

 折しも、数日前から嫁いだ娘が孫を連れて来ていた。幼稚園に通う孫が「じーじは今からどこに行くの」と聞いてきた。「きょうはじーちゃんの運動会に行ってくる」と返したら「僕も運動会に行きたい」という。

 そうか、かっこいいじーじを見せなければならない。けなげな孫にじーじが足をもつらせて座り込む姿を見せる訳にはいかない。受付もあるので一足先に家を出て、後からやってくる孫たちを待つことにする。

 向道湖畔の桜がぼちぼちと咲き始めている。もう春なんだなあ。考えてみれば桜なんて、のんびり歩きながら眺めるのは何年ぶりだろう。いつもは車の中から「咲いたな」「散ったな」と横目で見る程度だ。久々にのんびりと見上げた。

 道端では陸上クラブだろうか、小学生たちの集団がすでにウオーミングアップ中だ。コーチ陣が盛んに指示を出している。この歳でちゃんと指導してもらえるなんて幸せなことだ。このまま続けたらきっとすごいアスリートになれるぞ。

向道湖マラソン大会の受付

桜の咲くコースで小学生たちがウオーミングアップ

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