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家族葬の流れに対応

有限会社向西社社長 小林 正宜さん(43)
PROFILE
こばやし・まさのぶ
1975年下松市生まれ。99年入社。取締役事業部長を経て2014年に3代目社長に就く。創業者は祖父・故喜作氏。2代目社長は会長の父・篤夫氏(76)。
- 家族葬に代表される葬儀の小規模化傾向が強まっています。
- 年1,000件以上の葬儀を取り扱っていますが、小規模葬は全体の6~7割を占め、主流になりました。
- 現代人の価値観の変化が理由ですね。
- 喪主が若返るに従って、煩わしいことはなるべく避けたい、葬儀費用はできるだけ少なく済ませたい意識が強まっていると思います。近所付き合いが希薄になったことも背景の1つでしょう。
僧侶を呼ばずに宗教色を消して執り行う無宗教葬、通夜も葬儀もせずに火葬だけで済ます直葬、インターネット専門の葬儀社に申し込むネット葬など新しいニーズも増えてきました。 - 簡略化志向は葬儀に限らず広がっています。
- 墓離れ、墓じまいの動きも見られます。墓を造らずに骨はお寺の納骨堂に納める遺族も珍しくなくなりました。東京ではロッカーのような納骨堂に車で出向き、降車せずにディスプレーに表示された遺影の画像に手を合わせる「ドライブスルー墓参り」も出現しています。
少子化の上に結婚式を挙げない人が増えて結婚式場、ホテルが頭を痛めていると聞きますが、この世代の人たちが40年先、50年先に家族の葬儀を挙げるのかどうかと考えると無関心ではいられません。 - 家族葬についてはメディアも肯定的に見ています。
- 家族葬は煩わしさのなさ、費用の安さが強調されます。間違いではないのですが、デメリットもあることは報道されません。
葬儀後に故人の死を知った友人、仕事関係者、近所の人が遺族の自宅に次々に弔問に訪れます。遺族にとってそのころは役所の手続き関係で最も忙しく、そんな時に弔問が相次いでも十分に対応できません。煩わしさを避けるために家族葬にしたのにかえって手間が掛かり、「1回で済む一般葬にすれば良かった」と後悔した話はよく耳にします。故人の知り合いから「なぜ葬儀に呼んでくれなかった」と詰め寄られ、人間関係がギスギスすることもあります。
費用についても家族葬と一般葬の違いは香典返しの支出があるかどうかだけで、葬儀本体に掛かる費用は基本的に同じです。一般葬は香典による収入もあるので最終的にどちらが経済的なのかは一概には言えません。 - 家族葬は必ずしもいいことづくめとは言えないのですね。
- 葬儀の意味を改めて考えてほしいんです。もちろん故人を弔うのが第1の目的ですが、残された遺族の決意表明、 親から子・孫への命の伝達式の場でもあります。
遺族は代替わりしたことを参列者に報告し、先代からの関係性の継続をお願いする。参列者はそれを受け止め、遺族の再出発を見届ける。喪主あいさつの締めで使われる「残る遺族一同にも故人同様の御厚情を心よりお願いいたします」というフレーズがその象徴です。 先祖や両親からいただいた命に感謝し、誰1人欠けても自分の存在はなかったという思い、命の繋がりをかみしめる機会にしてほしいと思います。
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