2026年04月30日(木)

トップインタビュー

100年企業支えた「順応」

河崎運輸機工社長 河崎静生さん(73)

PROFILE

かわさき・しずお
1946年岩国市生まれ。72年入社。
’74~’98年旧徳山支店長。常務を経て’98年より現職。

河崎運輸機工は今年創業100周年を迎えました。「一つのビジネスモデルが通用するのはせいぜい20年」と言われる中、100年持ったのは時代の流れやニーズの変化に順応してうまくモデルチェンジできたからではないでしょうか。
 創業事業は物流でしたが、時の流れとともにプラントメンテナンスなどの工事事業、クレーン作業などの運輸事業が主力事業に成長しました。先を見越してモデルチェンジした意識はありません。取引先の需要に応じて対応してきたら結果的に会社が長続きできたと思っています。
 物流も創業時は海運で戦後に陸運にシフトしました。海運は今は人手不足で船員が集まらず、どの会社も苦労しています。陸運に軸足を移した当時は現在の状況は当然見通せなかったけれども、結果としては選択に誤りはありませんでした。
 陸運も主力がトラックからタンクローリーに変わりました。これも結果論ですが、今産業界が迫られている「働き方改革」に適応しています。トラックは長距離、夜間運転が多く、ドライバーの労働環境は良くありません。その点、ローリーの運転は日中でドライバーは朝出社して夜家に帰れます。
 従業員の労働時間が短くなっても売り上げを落とさないよう発注元と直接取引して収益性を確保したり、価格交渉で有利な条件を引き出したりする努力を重ねたいと思います。
事業内容を取引先の需要に合わせたら自然に労働環境も改善されたと。
 大手企業と直接取引していることが大きかったと思います。周南市では出光興産、㈱トクヤマ、日本ゼオンの仕事をしていますが、大手は労働環境に敏感で、われわれも仕事で接するうちに意識が高まったと思います。安全教育、環境への配慮、社会的責任についてもお手本になっています。
河崎運輸機工は本社は岩国市にありますが、周南市に主要支店を置き、河崎社長も長年支店長を務めました。その準地元の立場から周南市の現状はどう見えていますか。
 私が当時の徳山支店の支店長になったのが1974年。翌年にJR徳山駅に新幹線が通り、そのころが最盛だったと思います。駅前交差点は誇張でなく人をかき分けないと前に進めませんでした。
 それから40数年たち、駅前はかつてのにぎわいがなくなり、残念です。しかし、地方都市の衰退は全国的な傾向で徳山だけが取り残されたわけではありません。岩国市は米軍基地再編で多額の補助金が出て街の活性化を支えていますが、これはあくまで特殊事例です。
 周南市は新しい市長が誕生しました。人口減。財政難。市政を取り巻く環境は厳しいでしょうが、頑張ってほしいと思います。周南市民でない私が言うのもおこがましいのですが、「第2の古里」として成長を期待しています。
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