2026年06月25日(木)

トップインタビュー

大赤字さえ出さなければいい

山田石油株式会社社長 山田正敏さん (55)

PROFILE

やまだ・まさとし
1964年旧徳山市生まれ。徳山高、中大卒。90年山田石油入社。2004年から現職。
周南青年会議所理事長、徳山東ロータリークラブ会長も務めた。山口経済同友会代表幹事。

本業のガソリンスタンド経営に加え、多角経営として飲食業に乗り出し、周南市ではハンバーグレストラン「びっくりドンキー」を営んでいます。
 開店時、びっくりドンキーは全国に約330店ありましたが、山口県にはありませんでした。ほかの都道府県の人は味わっているのに山口県民だけが取り残されていた。テレビで「びっくりドンキーの人気メニューを当てよう」という番組が放送されても、県民は「それって何?」のレベルだったわけです。
 テレビ局も山口県にはフジテレビ系列のローカル局がありません。中高生のころ、「笑っていいとも」を夕方に見ていました。「午後4時に『お昼休みはウキウキウオッチング』と言われてもなあ」と切ない思いをしていました。
 東京の大学に進んで都会暮らしをし、東京との格差を思い知らされました。食も文化も遊びも。あらゆる面で山口が立ち遅れていることを痛感しました。びっくりドンキーは格差の象徴の1つだったのです。大学を出て帰郷して会社経営を任され、少しでも格差を埋めたい思いが強まり、事業化に踏み切りました。
レジャー業として系列会社が下松市でスケート場「スポーツプラザ」とボウリング場「くだまつスポーツセンター」を経営しているのもその思いからですか。
 スケート場は県内でここしかありません。ボウリング場も周南市以東では1軒だけです。子どもたちがボウリングやスケートを経験しないまま大きくなって都会に出て行くことは避けさせたかった。
飲食業もレジャー業も経営環境は厳しいと言われています。
 採算はギリギリです。儲かる商売とは言えません。ですが、子ども会などが利用するなど地元の要望がある限り、やめるにやめられません。地方でも食を含めて文化の基本インフラを整えたい。わが社1社でできることは知れていますが、少しでも地元に貢献したいと思っています。
そのためには受け継いてきた資産を効率的に運用し、地域貢献ビジネスに回す資金を確保しなければなりません。
 ガソリンスタンド業もガソリンの消費減、スタンドの統廃合と経営的には厳しいです。もともと薄利な上、価格競争が激しく、大きな利益は望めません。
 生来、ガツガツ儲けたいタイプではないのかもしれません。社員にも「新規事業は大きな赤字さえ出なければいい」と言っています。採算性とか効率性とかで測られたらわが社は優良企業ではないのでしょう。幸い一定の経営基盤がありますから、社員の雇用を安定して継続できれば基本的にはオーケーだと思っています。
 ただ儲ければいい時代は去りました。企業は「どうやって儲けるか」が問われています。わが社の経営のキーワードは「地域貢献」だと思っています。
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