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【下松】役者もスタッフも「老若男女」 切山歌舞伎保存会50周年公演
文化下松市下松市切山に伝わる県指定無形民俗文化財「切山歌舞伎」の保存会結成50周年記念公演が1日、スターピアくだまつ大ホールで開かれ、東陽小子ども歌舞伎の児童が演じる「寿式三番叟」▽大人の役者と子どもが一緒に演じる「義経千本桜~吉野山の段」を、会場を埋めた約750人が鑑賞した。
切山歌舞伎は江戸時代の宝暦年間のころから切山地区に伝わる地芝居で、約270年の歴史を持つ。1954年に結成された保存会は下火になった時期もあったが、74年に再結成して伝統芸能の灯を継承してきた。地元の東陽小では「こども歌舞伎」を設けて伝承の橋渡しをしており、今年度は児童18人が参加している。
この日はまず「寿式三番叟」を児童14人が上演。続いて「義経千本桜~吉野山の段」には「手下役」の子ども4人を含む25人が出演し、第1幕「道行初音の旅」▽第2幕「河連法眼館の段」を演じて大きな拍手を浴びた。手下役の4人の衣装は周南市の熊毛北高ライフデザイン科の生徒が手づくりで制作した。
「義経千本桜~吉野山の段」は昨年1月に急逝した梅田幸子前切山歌舞伎後援会長が脚本を書き上げたもので、後任の藤井莊太郎会長は「上演を見ることなく急逝された会長の無念を晴らすべく、会員一丸となって取り組んだ。きょうも梅田さんは会場のどこかで私たちの舞台を安心して鑑賞されたのではないか」と話していた。
主役の「狐忠信」を演じた山下尚稔さん(41)は「役者もスタッフも心ひとつに取り組んだので、無事に終えられてうれしい。これからも切山歌舞伎を支える輪を広げたい」と話した。役者やスタッフには市議や市職員の姿もあり、裾野の広がりを感じさせた。
出演した役者やスタッフは次の通り。(敬称略)
切山歌舞伎後援会50周年公演出演者
寿式三番叟
(全員東陽小児童。数字は学年)
中の太夫=林苺花⑥
白太夫=藤井心結⑥
黒太夫=小林由依⑥
三味線=北栄結衣⑥、片岡羽道⑥、宮川桜士⑥、中野新太⑥
太鼓=近森舟馬⑤、藤村煌也⑤
笛・謡=舩附湊和⑤、有吉倖太朗⑤、越智大一朗⑤
笛・柝=藤井諒⑥
饒鈸・謡=岡本崚④
三味線指導=門田早苗
義経千本桜
第1幕 道行初音の桜
狐忠信=山下尚稔
静御前=吉野寛之
早見藤太=大木則英
手下=福田心桜、山下柚葵、辻栞菜、菅晴(全員東陽小6年)
第2幕 河連法眼館の段
狐忠信=山下尚稔
静御前=水本恵子
源義経=森良介
佐藤忠信=福本壮史
亀井六郎=岡本淳
駿河次郎=越智善紀
奥女中=山根栄子
浄瑠璃=松尾珠美
三味線=門田早苗、兼子慎吾
黒子=三藤恭介、菅司、西村仁秀
柝=清水高志
大鼓=大木浩之
小鼓=飯間康司
笛=鳥居茜
太鼓=大木沙織