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経済 : 周南市のニュース
【周南市】㈱トクヤマ 成長事業比率、60%以上に マレーシア再挑戦も
経済周南市山口県周南市の総合化学メーカー、㈱トクヤマの横田浩社長は22日、御影町の徳山製造所で記者会見を開いた。2030年度に成長事業のグループ全体での売上高比率を60%以上とすること、マレーシアに設立する半導体用多結晶シリコンの合弁会社、再生可能エネルギー導入などを説明した。
原燃料価格の高騰、二酸化炭素(CO2)の排出量削減への要求の加速などに触れ、電子先端材料、ライフサイエンス、環境など成長事業は積極的投資が売上をけん引し、化成品やセメントなど伝統事業は内需が縮小すると予想。2025年度の目標グループ売上高3200億円のうち成長事業の比率を45%以上、30年度に60%以上を目指す。
電子先端材料分野では、マレーシアでの半導体用多結晶シリコン事業の協業について5月に韓国OCI社と覚書を締結。今後は合弁生産会社を設立後、同社による多結晶シリコン製造の前工程で年間1万トンを生産する計画で、後工程の製品化は両社が独自で行う。
トクヤマは2017年に巨額損失を計上しマレーシア事業から撤退した経緯があるが、横田社長は今後の半導体の需要拡大を念頭に「水力発電による再生可能エネルギーが潤沢で質の高い労働力が確保できる」と強調した。
再生可能エネルギーの導入目標では、2030年度にバイオマスやアンモニアによる発電を約30%にする。横田社長は「自家発電でアンモニアを受けるのは多分、日本で最初の会社になると思う。2027年に20%から25%程度の混焼を実施していく」と話した。
