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肝胆膵疾患治療、腹腔鏡下手術に力 消化器病センター新設 ベテランの日野、硲両医師着任
地域下松市山口県下松市生野屋南の周南記念病院(橋谷田博院長、250床)に4月1日「消化器病センター」が新設された。日野啓輔センター長(65)、硲(はざま)彰一副センター長(63)は、ともに経験豊富なベテランで「県東部の皆さんが健康面で安心して暮らせるように力を尽くしたい」と意欲を見せている。
同センターは既存の消化器専門外来部門と内視鏡検査部門、手術部門の医師計14人。需要の高まる消化器病の治療や手術に応えようと、日野、硲両医師を迎えて新設した。
日野センター長は1982年に山口大医学部を卒業。文部省在外研究員として英国のグラスゴー大学ウイルス研究所で学んだ。山口大医学部保健学科病態検査学教授、同大学院医学系研究科基礎検査学教授を経て2008年から14年間、岡山県倉敷市の川崎医大の肝胆膵内科学の教授を務めてきた。肝胆膵疾患の治療ではその専門性が全国的に高く評価されている。
硲副センター長は86年に山口大医学部を卒業、90年に同大学院医学研究科外科系博士課程を修了。同大学院で消化器・腫瘍外科学准教授、同付属病院で診療教授、同医学部で先端がん治療開発講座の教授を務めた。手がけた腹腔鏡下大腸がん手術は千例を超え、周南記念病院でも8年前から腹腔鏡下大腸がん手術と直腸脱手術も含めて300例の手術実績がある。
日野センター長の専門は肝臓病で、ウイルス性肝炎、メタボリック症候群や糖尿病に伴う非アルコール性脂肪性肝炎、肝細胞がんを多く診療。川崎医大では胆膵疾患の治療も多く経験した。
就任にあたって「周南地域を中心に消化器疾患の診療に貢献したい。地域の診療所と病院が連携する“病診連携〟なくして地域医療の発展は望めない。周南地域の患者さんの健康、福祉に少しでも役に立ちたい」と話している。
硲副センター長は周南記念病院の消化器外科主任部長、腫瘍センター長を兼ねる。山口大医学部で36年間、臨床と研究に従事し、大腸疾患の腹腔鏡手術は91年から30年以上携わってきた。胃がんの腹腔鏡手術でも高い評価を得ている。
就任に「大腸がんや胃がんの化学療法にもガイドラインや最新の情報に基づき、世界標準的な治療をしていきたい。肝胆膵疾患が専門の日野先生とともにセンターを盛り立て、下松や近隣の皆さんが安心して暮らせるように努めたい」と決意を述べている。
同センターへの問い合わせは同病院(0833-45-3330)へ。
(山上達也)
