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【山口県】年度当初の通学定期券が市内の駅で買えない! みどりの窓口廃止、岩田駅無人化で波紋
地域その他学校での出張販売拡充を
通学にJRを利用する高校生や専門学校生などが使う学割の「通学定期券」を年度当初に販売する駅が、10月1日(土)から周南3市で徳山駅と新南陽駅だけになる。生徒や学生、家族から「学校での出張販売など、学生の足に配慮してほしい」と求める声が出ている。 (山上達也)
証明書提示の「対面販売」がネック
通学定期券を購入するには、年度当初の購入時に学校が発行する「通学証明書」か「通学定期券購入兼用証明書」の提示が必要。その後の1年間の年度内の継続購入時には証明書はいらない。
このため通学定期券の1回目の購入時は駅員が証明書を直接確認する必要がある。有人駅でしか対応ができないため、現状では「みどりの窓口」がある周南市の徳山駅、新南陽駅と、光市の委託駅員がいる岩田駅だけでしか通学定期券の年度当初の購入ができない。
ところが岩田駅の委託駅員の配置がJR西日本の決定で9月30日(金)で廃止されることになったため、以降は岩田駅で定期券などの窓口販売ができなくなった。岩田駅の1日平均の乗車人員は1999年には621人だったが、2020年には323人とほぼ半減しており、JR西日本による業務縮減策の一環と見られる。
これにより、通学定期券を年度当初に購入できるのは、徳山駅と新南陽駅の「みどりの窓口」と、券売機に備え付けのカメラで証明書を確認でき、オペレーターとの会話が可能な徳山駅の「みどりの券売機プラス」だけになった。
半面、一般の定期券の購入は通学定期券のように証明書を駅員が確認する必要がないため、下松駅、光駅の「みどりの券売機」でも可能だ。通学定期券も年度内の継続購入は下松駅、光駅の「みどりの券売機」でできる。
周南3市にはJR西日本の鉄道駅が周南市に8駅(徳山、新南陽、福川、戸田、櫛ケ浜、大河内、勝間、高水)▽下松市に4駅(下松、周防花岡、生野屋、周防久保)▽光市に3駅(光、島田、岩田)の計15駅があるが、このうち岩田駅を含めて10駅が無人駅だ。
光市生徒「定期券を買いに徳山まで…」
下松駅と光駅の「みどりの窓口」がなくなったのは、光駅が今年4月、下松駅は5月。今年度の当初の通学定期券は下松市では下松駅で、光市では光駅と岩田駅で買えたが、来年4月からは両市で年度当初に買える駅はなくなる。
下松市の高校に通う光市の男子生徒(16)は「わざわざ徳山に行かないと定期券が買えないのは不便だ」と不満そう。この生徒の母親も「せめて学校で年度当初の1回だけでもJRが出張販売してくれないか」という。
JR西日本広島支社は25日、本紙の取材に「一部の学校では新学期の始業式の日に、社員が出向いて通学定期券の出張販売をしているが、すべての学校に対応しているわけではない」と話していた。
市内で年度当初の通学定期券が買えなくなった下松市や光市内の高校や専門学校に、JR西日本はどう対応するのか。下松駅や光駅のみどりの券売機を「みどりの券売機プラス」に置き換えることができるのかも注目されそうだ。
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