2026年07月17日(金)

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【山口県】[金曜記者レポート]1中4小「やまと学園」着々前進 光市教委 小学4校を先行統合、複式解消

  • 小中一貫教育の推進体制

  • 「やまと学園」準備委で話し合う委員(1月25日、大和コミュニティセンター)

  • 新小学校となる岩田小

  • 「やまと学園」の大和中

 光市教委が市内の5市立中学校ごとに校区内の小学校との一体化を図る「施設一体型小中一貫ひかり学園」構想を進めている。大和中と校区内の4小学校を一体化する第1期の「やまと学園」構想では、2025年4月に4小学校を統合した新しい小学校を開校させた上で、さらにその小学校と大和中を28年度中に同じ校舎で一体化する予定で、全国でも珍しい斬新的な小中学校の一体化政策として注目されている。(山上達也)

市内5中学校単位で「施設一体型小中一貫」推進

 この取り組みは市教委が昨年3月に策定した「施設一体型小中一貫ひかり学園の新設に係る方針」で明らかになった。

 この方針では「連携と協働で育む 光の教育」を教育理念に掲げ、中学校区ごとにコミュニティスクール(学校運営協議会)を基盤とした学校づくりを推進し、地域ぐるみで小中一貫教育を進めることにしている。

 この「ひかり学園」構想は、市議会一般質問でも毎回取り上げられるなど、その進展が注目されている。

 当面は第1期を「やまと学園」▽第2期を室積中と室積小の「室積学園」と、島田中と島田小、上島田小、三井小、周防小の「島田川学園」▽第3期を光井中と光井小の「光井学園」、浅江中と浅江小の「あさなえ学園」とし、今から19年後の42年度ごろまでに第3期までの整備終了を想定している。

 このうち「やまと学園」は行政や地域住民らによる準備委員会(宮尾智義委員長、69人)が組織された。委員会の構成は小中学校の教職員が32人で、その他は保護者、コミュニティ団体の代表など地域住民。教育長をはじめ市教委職員は事務局として出席する。

 市教委は「学園」という呼称について、中学校区の小学校と中学校の一体感を高める学園構想を展開する上での「愛称」と位置づけている。

新小学校の校歌、校章、校旗は「やまと学園」で準用

 4小学校の先行一体化は、今月上旬に大和地域の全世帯に配布された準備委員会通信「やまとの未来の学園づくりかわら版」第11号で発表された。

 それによると、岩田小(102人)▽三輪小(84人)▽束荷小(19人)▽塩田小(16人)を統合して岩田小の校舎に25年4月1日に新小学校を開校するが、校名は未定。これにより1874年に開校した岩田小、束荷小、塩田小は開校から151年で▽78年に開校した三輪小は開校後147年で、校史に幕を下ろすことになる。

 今後はこの「新小学校」の開校に向けて準備委は、学校部会で校名や校歌、校章、校旗▽PTA部会で組織、規約、行事▽通学部会で通学路やスクールバス、地域見守り▽地域部会で地域交流活動や地域との連携▽教育課程部会で教育課程や日課▽事務部会で備品整理、移転計画を煮詰めていく。まさに“オールやまと体”での取り組みとなる。

保護者「クラス替えができる児童数に」

 こうした取り組みに対して、住民から大きな反対意見はなかったのだろうか。半面、塩田小や束荷小の複式学級の解消や、単式学級の岩田小や三輪小でも「クラス替えが可能な児童数に」と求める声など、保護者からは切実なニーズもある。

 統合範囲も合併前の旧大和町にとどまっていることが、住民に理解を与えている。実際、大和地域の住民の地元意識は他地域の市民と比較にならないほど強く、それは市議選でも“大和”は大和在住の候補者に集中していると見られるほどだ。

 さらに塩田小、束荷小にはコミュニティセンター(旧公民館)がすでに各校内に統合されており、統合によって使われなくなった校舎などは、地域住民の拠点として存続が続くという安心感も与えている。

市教委「子どもの協働的な学びの充実を」

 新小学校の校舎となる岩田小は大和地域のほぼ中心に位置し、周辺道路の交通量が比較的少なく、スクールバスの乗降や回転のための十分なスペースがあるなどの利点がある。

 新小学校で制定した校歌や校章、校旗は、28年度中に予定される大和中との統合で発足する「やまと学園」にそのまま準用する。このことは市議会6月定例会の一般質問の答弁で伊藤幸子教育長が明らかにしている。

 その意味でも新小学校に向けた準備は大和中との統合に向けた準備とも重なり、地域住民を巻き込んだ形の協議は第2期、第3期のモデルケースとなるだろう。新小学校の開校や、大和中との統合に向けた予算は、市教委が今年度中に策定する基本計画の中で示す。

 今後も市教委は伊藤教育長を先頭に、第1期の成功に全力を挙げる方針だ。市教委の升克頼教育部長、吉永晋太郎教育総務課長は「子どもたちの協働的な学びの充実を図るため、スピード感を持った検討、対応を進めていきたい」と意欲を見せている。

 このように「やまと学園」の構想は「ひかり学園」の取り組みをけん引する形で進む。半面、協議会に参加していない大和地域の住民の意思や民意をどうはかるのか、やまと学園構想に取り組む市教委の今後の姿勢を市民は注視している。

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