ニュース
政治 : 周南市のニュース
現在地存続に賛成、反対 鹿野総合支所の位置めぐり署名活動 建設的な意見出し合う場の提案も
政治周南市周南市の「鹿野総合支所の現在地存続を希望する会」(野原博美会長)は12月28日、903人の署名とともに「鹿野総合支所を現在地で存続してほしい」と藤井市長に陳情した。この日は現在地での建て替えに反対する団体も1153人の署名とともに陳情した。総合支所建設をめぐって地区を2分しないために協議を重ねることを求める動きもあり、鹿野総合支所をめぐる論議を深める気運が高まっている。(延安弘行)
■市長「意見言える状況に」
同総合支所は旧鹿野町役場として1971年に完成したが、建物が老朽化、耐震性もないことからコアププラザかのへの移転を計画した。しかし1部の住民がこれに反対し、昨年、コアプラザかのが洪水ハザードマップで錦川の河川侵食区域になったことから、同プラザの移転を断念。
市は現在地での建て替え、鹿野中学校駐車場、コアプラザかのの隣接地の3案についての説明会を同地区の自治会などを対象に開いた。説明会では位置とともに3案いずれもが6億円余りという事業費も示した。
そこで出された意見も踏まえ、市長は市議会12月定例会の一般質問で年内に結論を出す考えを表明したが、年が明けた現在も明確な結論は出していない。
28日は、現在地存続を希望する会は野原代表(70)、事務局の洞崎伸治さん(65)、世話人の広本武生さん(65)が訪れ、市長に手渡した。同会は今後も署名活動を続けることにしている。
一方、現在地での建て替え反対の立場をとる「持続可能な鹿野をつくる会」(前田浩二代表)も1,153人の署名を添えて市長に反対の意見を伝えた。小中学校の周辺に公共施設を集めたいという考えで、年内に結論を出すとした一般質問の答弁をきっかけに、12月16日から署名運動を始めた。若手が中心で、1週間ほどで1千人を超える署名を集めた。28日は前田代表(39)らが署名を届けた。
この動きに対し、6日にあった定例記者会見で藤井市長は「できるだけ早く決めたい」としながらも、住民の思いのこもった署名簿の提出に「検討を深めている。ゆうよをいただきたい。いろんな意見を言える状況になってきた」と述べた。
■婦人会「まちづくり考える場を」
この賛成、反対、それぞれの署名活動の中、市連合婦人会鹿野婦人会(有国美恵子会長)が署名簿提出の28日、賛成、反対の両方の意見を聞く「鹿野地区の総合的なまちづくりを考える会」を開いたあと、新しい鹿野総合支所の位置を決めるよう求める市長宛ての陳情書を、有国会長(60)がこの日、市役所を訪れ、企画部を通じて提出した。
婦人会は、賛成、反対とも1千人前後の署名が集まる関心の高まり、まちづくりへのパワーの発揮に対し「議論の気運が高まっている。町を二分させることなく、この力をまちづくりに生かしたい」と話し合いの場を持つことを提案し、藤井市長の出席を求めている。
周南市では徳山地区では2018年に徳山駅前図書館、19年に市役所本庁舎がオープン。櫛浜市民センターが15年に完成し、遠石、長穂市民センターはすでに建物が完成して間もなくオープンする。
新南陽地区では15年に学び・交流プラザが完成し、西消防署の建設工事が進んでいる。新南陽総合支所の建設場所も旧新南陽市役所の同消防署そばに決まった。
説明会で市は総合支所の跡地には清流通りもあることから観光拠点を整備する構想も明らかにした。鹿野の台地に渋川の水を引いて現在の鹿野の街並みができるきっかけとなった潮音洞が完成した1654年から370年近い歴史がある鹿野。
総合支所の建設にあたっては位置だけでなく、機能や規模、景観への影響、更には今後の人の流れや街の構造まで考慮した、街をデザインする観点が不可欠だが、婦人会の提案を生かすことができれば議論が深まりそうだ。
