2026年08月07日(金)

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政治 : 周南市のニュース

周南3市「議会運営、議員定数、地域展開の行方は」 3市市議会議長が座談会

  • 握手する左から友田議長、近藤議長、森戸議長

 ㈱新周南新聞社は7月22日、昨年に続いて周南3市の市議会議長の座談会を周南市のホテルサンルート徳山で開いた。

 2018年の第1回以来、6回目となる今回のテーマは議会運営▽議員定数▽中学校の部活動の地域展開について。下松市議会の近藤康夫議長▽周南市議会の友田秀明議長▽光市の森戸芳史議長(五十音順)に率直な意見を披露してもらい、周南3市の将来を展望してもらった。

(聞き手・中島拓㈱新周南新聞社代表取締役社長)

―森戸議長は一昨年に議長に就任され、座談会出席も2回目。2年間の取り組み、課題、目標はありますか。

 森戸 ハラスメントの根絶へ研修会を毎年開き、議会運営の上で議員の発言、言動に特に注意を払ってきました。議会基本条例に基づく議員間討議は委員会で展開しています。さらに「議会報告会」と「高校生との意見交換会」を開いてきました。今後の課題は議会基本条例に掲げる「専門家の知見を活用するアドバイザー制度」とタブレットの導入、休止中の「議会モニター制度」の方向性です。

―近藤議長は4月に就任されました。課題や今後の取り組みなどをお聞かせください。

 近藤 タブレットは昨年から導入していますが、基本条例はまだです。全国の7割を超える市議会に基本条例があり、下松市議会でも1期、2期、3期ぐらいの若い世代を中心に整備を期待したいです。高校生議会は毎年夏に下松高、華陵高、下松工高を対象に開いています。毎年ではありませんが市民との対話集会も開き、意見、質問は執行部からの回答を各公民館に配布しています。さらに各常任委員会は要請があれば出前形式で対話集会を開いています。各議員の思いやキャラクターが活かせるような議会運営を心がけます。

―周南3市では光市議会だけに議会基本条例があるんですね。

 近藤 難しく考える話ではなく、市議会の規約、会則の位置付けです。市議会とはどういうところかと市民から聞かれた時に、ちゃんと示すものがあった方がいいと思います。

―続いて友田議長です。議会運営で取り組みたいところをお聞かせいただけますか。

 友田 合併して間もなく旧新南陽市議会にあった政治倫理条例を制定しており、それに基づいた議員の収入などの報告があります。周南市もタブレットを昨年導入しましたが、9月議会終了後の決算認定と3月議会の次年度の予算は当面、ペーパーレスと紙の併用でいきます。

―議会中継を見た読者から「議員のタブレットの触り方が明らかに違うことをしているのがわかる」という投書が弊社に届きました。各市とも市民が見ている中での活動で、お気をつけいただきたいと思います。次に議員定数について伺います。

 友田 周南市では議会改革特別委員会で議員定数を議題にし、次回から議論が本格的になる予定です。周南市の県議の定数がいったん4になり、国勢調査で5に戻ったあたりを参考にしていただきたいです。議員定数と関連し議員報酬の検討を求める声もあります。来年の統一地方選で市長選と一緒に市議の補欠選挙がありますが、補選に出る人のことを考えると定数をそれまでに決めるべきという意見と、補選なので関係ないという意見があります。

―では森戸議長に移りたいと思います。

 森戸 昨年の座談会で定数について、2012年に定数4減で18にした時に常任委員会を3つから2つに減らしたことで各委員会の所管範囲が広すぎて審議に時間がかかり、範囲が広くチェック能力不足が生じていると申しました。これ以上の削減は懸念もありますが、そうは言いながらも昨年12月に「議員報酬及び定数に関する研究会」を設置しました。今はその報告を待っているところです。

―いずれにせよ研究会の結果から議論をするところですね。近藤議長は実際に定数が削減された中で感じていることはありますか。

 近藤 下松市議会は最終的に僅差で2人削減の定数18で決着しました。これで3つの常任委員会が6人ずつになりました。私が初出馬した40年前は企業代表、労働組合代表の候補者も多く、投票率は87%でしたが最近は42〜43%。少なくとも半数を超える人たちが最も身近な市議会の選挙で投票には行かないのは残念です。

―定数が減ることによる投票率への影響は興味深いですね。

 近藤 立候補者が多ければ多いほど活気づきます。定数が少なくなれば立候補者も少なくなる傾向ですね。

 森戸 2012年に定数を4つ減らした時に、議会として市民の声を聞く力が落ちたらいけないということで議会報告会を導入しました。お2人にお尋ねしたいんですが、地方自治法上は委員外議員制度がありますが、光市は導入していないです。定数削減をした中で常任委員会以外の議員が出れる仕組みは採用されていますか。

 近藤 うちは一日一委員会なので他の委員会の議員も傍聴できます。 委員長が許可し、他の委員が賛同すれば委員外議員でも発言できます。

 友田 下松市議会と一緒で、委員外議員が発言したい時は挙手して、委員長が内容を聞いて委員に確認し、委員の賛同があれば発言を許可しています。

 森戸 ちなみに光市議会は地方自治法の導入時に一度試行をしたんですが、発言する委員が多くなかったので導入していません。

―一つの切り口ですね。定数削減のカバーの仕方として議員の活動の幅を広げる意味でということですね。

 近藤 下松市議会の政務活動費は月額1万1千円。山陽小野田議会が1万円ですから県下の市でも少ないんですよ。もちろん領収書付きの会計報告が義務付けられています。

 友田 うちの政務活動費は月2万5千円、年間30万円です。

 近藤 うちは他市への視察や研修会参加の場合、1人では行けず複数です。会派に所属しない議員はどこかの会派と一緒に行くか、会派に所属しない議員同士で行く形です。

 友田 うちも会計報告は領収書付きで出す形です。視察では目から鱗が落ちるようなことが多くあり、会派の視察だと相手の役所の担当者がざっくばらんに答えてくれます。

―視察は今、風当たりが強いですね。市区町村議、都道府県議、国会議員関係なく。

 友田 山口県でも県議の政務活動費は月35万円でしょう?

 森戸 その話に入ると広がりますので部活の地域展開の話題に行きませんか? (笑)

議長座談会 語り合う各議長.jpg
語り合う各議長

―ありがとうございます。最後の質問の部活動の地域展開についてです。弊紙でもずっと取り上げてきましたが、各校によって取り組みが違う、あやふやな制度の印象です。下松市は周南市、光市に比べてうまく進んでいる印象が強く、特に文化系、吹奏楽は順調な移行を感じています。

 近藤 2024年3月に策定した下松市地域クラブ活動推進プランでは、今年度と次年度は平日の週2日は学校の部活動を残し、次々年度に3年生の部活動引退で学校の部活動終了の方針です。吹奏楽はかつて下松高吹奏楽部に優秀な指導者がいて、10年ぐらいずっと全国大会で金賞を取って吹奏楽の街を掲げてきたベースがあります。一般質問では小学生や中学生の子どもさんがいる議員を中心に部活の地域展開の質問をされています。コロナ禍前は小中学校の卒業式や運動会に来賓でお招きいただき、雰囲気や雑談の中で各学校の課題を感じてきましたが、今は招かれることも一切なく、具体的なことが分かりにくいのが正直なところです。

―支援の仕方も全て違いますね。例えば県内他市には世帯年収に合わせて生活保護の家庭に補助を出す仕組みなどいろんな取り組みを始めています。まだ猶予があるところが下松の特徴でしょうか。

 友田 うちでは議員に子どもがいるいないにかかわらず地域展開の問題を取り上げています。昨年は部活動の地域展開に向けて人員や財源の積極的な対応を求める決議も議会でしました。 今日、市役所で担当者に聞いたところ、受け入れ団体が170団体、51種目の体制ができています。ただ、1年生は47%、2年生は28%が加入率になっていて、残った生徒はどうするのかという問題があります。根底は教員のなり手不足、働き方改革でしょう。子どもに罪はないので何が一番いいのかを考えていく必要があります。そういえばコロナ禍以降、私も学校に行ったことがありません。

―周南市もですか。

 友田 以前、一般質問で取り上げたら、今後は積極的に学校サイドに働きかけると答弁がありました。しかし何も行事がなく、学校の空調の効き具合や、空調がない教室がいくつあるのかわからない状態。 かといってご案内がない時に議会から学校を見に行きますのも言いづらいと。

―議会が急に視察となると何事かということになりますね。

 近藤 総務教育委員会で各小学校、中学校を全部回ったことがあります。すると校長、教頭あたりが汗びっしょりになって切実に空調の整備を訴えるわけですよ。整備をしなくちゃいかんっていう時は、議会からも尻を叩いく必要があります。

―周南市の47%という数字ですが、全中学1年生の約半数の部活動がこの夏に終わるということ。53%の生徒の放課後にはすでに関与していないはずですし、さらに47%の生徒の受け皿も根深い問題ですね。

 友田 放課後ですから学校の目には見えません。危ない道に行かなければいいなと、心配がありますよね。

―森戸議長には昨年も同様に地域展開への答えをいただきましたが、進ちょく状況や、今後は何に注力をしたいなどございますか。

 森戸 光市では今年度入学の中学1年生の61.1%が地域クラブに加入しています。地域クラブ活動団体の登録数が66団体で、去年までなかった野球、陸上競技、吹奏楽が新たに登録して充実しました。セーリング、ボーイスカウト、茶道、手芸、ダンス、プログラミング、和太鼓まで広がり、文化芸術団体は短歌、華道、水墨画、写真、詩吟など今までの部活にはないバリエーションです。地域クラブの活動団体の補助金も新設されました。 経済的理由で地域クラブ活動の負担が困難な中学生の保護者に、地域クラブ活動団体に支払った会費等を補助する仕組みも新設されました。

―光市が一番漏れなく、そつなく進んでいる印象ですね。部活動は教育の中で一定の役割があり、心身やコミュニケーションを養う場として定義されてきました。しかし、今後は授業が終わった後、学校は地域クラブに入ろうが何をしようが家に帰ろうが、基本的に関与しないのが当たり前になるのでしょうか。

 友田 今の教員の就業体制だとそこまで面倒を見ないよ、というのが定着していくと思います。ある場所で会議後に外に出ると7〜8人の中学生がたむろしていました。一人ひとりはいい子だけど、徒党を組む、人数が揃うと、いい方にはいきませんよね。

―そういう懸念もありますね。

 森戸 基本的には我々のところも1年生が61・1%の加入率ですから、加入率が高まるように体験会とか団体からの声掛け、参加しやすい環境づくり、支援制度の充実しかないかなと思います。

 友田 地域クラブは毎日ないんですよね。ひょっとしたら週1回。多いところでも週2回。多くの生徒が帰宅部になるんですよ。

―その可能性も懸念されます。光市も週2〜3回ぐらいですか。

 森戸 ひょっとしたら2つ行くケースもあるかもしれません。

 友田 下松市なら市域が狭いですが周南市は広域。湯野から熊毛に行くことはないけど額面上はあります。では送迎をどうするか。基本的に周南市は各個人負担ですから。

 近藤 部活は大事な教育活動。一緒に部活動をした仲間は長く記憶に残ります。中学校の3年間は子どもから大人になる大事な時期で、そこを学校が地域の運営団体に移行してタッチしないのは残念な気持ちです。

 友田 日本の教育行政のひずみが出たのだと思います。例えば高校無償化の財源を各中学校の部活動の先生を雇う財源にしたら済む話です。

―いずれも待ったなしの問題ですね。本日はお忙しいところご出席いただき、ありがとうございました。こういった議会間の交流を深めながら、3市の未来を共に築いていただけたらと思います。

議長座談会 中島社長②.jpg
中島社長

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プロフィール(五十音順)

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下松市議会議長
近藤康夫(こんどうやすお)さん(69)

 1957年生まれ。下松高、早稲田大教育学部卒。松下政経塾第2期生。86年に29歳で下松市議に当選し、現在10期目。副議長、議会運営委員長、華陵高PTA会長を務めた。生野屋。

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周南市議会議長
友田秀明(ともたひであき)さん(70)

 1956年生まれ。徳山高、京都産業大法学部卒。新南陽商工会議所青年部会長を経て2001年に旧新南陽市議に当選し、周南市議7期目。副議長、監査委員を務めた。石材販売業「三共」代表。古泉。

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光市議会議長
森戸芳史(もりとよしふみ)さん(56)

 1969年生まれ。光高、法政大経営学部卒。松岡満寿男参院議員秘書、平岡秀夫衆院議員秘書を経て光市議6期目。議会運営委員長を務めた。周防商事㈱社長、光地区消防組合議会副議長。上島田。

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