2025年05月12日(月)

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【周南地域】3市の砂場を安全・安心に 学校・公園の衛生対策を比較

  • 学校の砂場(下松小)

細菌検査や自治会に管理を委託

 子どものころに誰もが遊んだ思い出がある学校や公園の砂場。その砂場が全国的に犬や猫がフンをする“動物のトイレ”と化しているという。山口県周南地域ではどうなのだろうか。実態を探ってみた。(山上達也)

砂鉄採取の理科の授業にも

 砂場とは地面を浅く掘り下げたくぼみに砂を満たしたもの。硬い地面と違って衝突しても砂が衝撃を吸収するため、子どもの遊び場として小学校や幼稚園、保育園、公園に設けられている。滑り台や鉄棒の近くに着地点として設けられたり、走り幅跳びなど跳躍競技の着地場所として活用されている例もある。

 設置費用は多くかからず、砂が少なくなれば新しい砂を追加するていどの維持費用ですむ。砂を固めて多様な形を作り出す子どもたちの砂遊びの場になっているのをはじめ、小学校では磁石で砂鉄を採取する理科の授業の舞台になっていることも多く、子どもの育成にはなくてはならない教材と言える。

全国的に犬、猫の糞尿の場に

 その砂場が犬や猫がフンをする場になり、学校や公園の管理者が苦慮しているケースが全国的に増えてきている。東京のある大学の調査では、東京都内で抽出した12カ所のすべての砂場から大腸菌群が検出されている。

 では周南地域ではどうなのだろうか。とくに周南市ではただでさえ野犬の増加に不安を抱く声が大きくなり、街中を堂々と歩く野良犬の集団の姿が後を絶たない。

 周南市では学校も公園も毎年、砂場の砂の衛生検査をしている。検査結果が基準値を超えれば砂の洗浄や砂の入れ替えをすることにしているが、ここ10年で学校、公園ともそうしたケースはない。

 下松市は学校、公園とも衛生検査はしていない。学校の砂場は日常の点検でフンがあるなどの異常があれば異物を取り除き、砂を入れ替えることにしているが、そうしたケースはないという。

 公園も同様で、市に通報や苦情があれば対応することになっているが、これまでのところは見られない。

 光市は、学校では隔年で細菌検査をしている。公園は地元の自治会に管理を委託し、異常があれば市に情報が入る仕組みになっているが、ここ最近ではそうしたものはないという。

より衛生的に安全性の向上を

 3市では多少の違いこそあれ、砂場対応が「放任」ではないことがわかった。

 まだ全国的なレベルの汚染度にはなっていないとはいえ、今後は精度をより増した形の対応が必要なのではないか。

 砂場で遊ぶ子どもたちは最も抵抗力が弱い年齢で、口や指先の傷から砂に潜んでいる病原菌が体内に侵入すると、体調不良や炎症反応を起こしかねない。半面、砂場では子ども同士で道具の取り合いやケンカも起きるもので、社会経験の未熟な子どもたちにとって人間関係づくりの貴重な場になっているといえるだろう。

 3市とも今後一層、砂場を衛生的に保つことや、定期的な安全性を確認する対策が必要といえよう。

周南3市の小学校・公園の砂場の現状と担当部署(本社調べ)
周南市
[小学校]細菌検査を毎年実施
市教委教育政策課施設担当(0834-22-8533)
[公 園]細菌検査を毎年実施
公園花とみどり課公園担当(0834-22-8402)
下松市
[小学校]毎日点検し異常の有無確認
市教委教育総務課管理係(0833-45-1866)
[公 園]定期的点検で異常の有無確認
都市政策課公園緑化係(0833-45-1857)
光市
[小学校]細菌検査を隔年実施
市教委教育総務課管理係(0833-74-3601)
[公 園]地元自治会に管理を委託
都市政策課公園緑地係(0833-72-1582)

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