2025年10月26日(日)

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記者レポート : 周南市のニュース

児童虐待の実態に迫る 増加する虐待に対応模索 関係者の声を聞く

  • 山口県周南児童相談所

 「近所の子どもが虐待されているのでは?」―近年報道されている児童虐待の残酷さなどで、本社へ寄せられた市民の不安を受けて、実際に毎日問題に取り組んでいる関係部署を取材した。

 子どもの養育や虐待問題の相談窓口は、山口県周南児童相談所(永山洋子所長)で、周南市、下松市、光市を管轄している。県内には6か所の相談所が置かれている。

県内で年間700件以上の児童被害

 2019年の県内での虐待通告は、警察からの通告254件などを合わせた1,511件だった。虐待と認定されたものは約半数の709件で、その中の256件を一時保護とした。施設に入所したのは57件、里親での対応は10件だった。

 直接身体的虐待も215件に上っているが、最近は子どもの眼前での家庭内DⅤによる心理的虐待ケースも増加している。父親からの虐待より母親からの虐待も増加しており、問題解決をさらに困難にしている。

 地域からの虐待の通告も18年の24件から、19年には36件に増えており、学校からの通告も急激に増えている。

 永山所長は一向に解消しない児童虐待への対応に心を痛めている様子で「地域で見守ることも大切。子育て中の親子への優しい対応も保護者への支えになることもある」と語る。

 コロナ禍の中で育児に悩む保護者も増えており「相談相手になるような人が地域で増えれば」と願っている。

「自分が悪いから」傷つく子ども

 県内の児童養護施設の園長に話を聞くと「最近は施設に入所する子どもの多くは虐待が原因」という。子どもたちの心も複雑で、「自分が悪いことをしたから虐待を受けた」と受け止める子どももいて、職員による心のケアも大切だと強調する。解決策は?の質問には「やはり地域で支えることができれば」と、地域を中心とした周囲の協力が不可欠との認識だった。

「虐待は犯罪」ともっと周知を!

 周南市で児童相談所と連携して地域の子育てをサポートする業務を担う市こども・子育て支援センター(玉野政枝所長)は虐待問題の地域の最前線。

 赤弥はるか主査は「DⅤが確実に増えた。親たちはそれが法律に違反していると知らない」と嘆く。昨年度センターに寄せられた相談件数455件に対しておよそ80件が虐待に関わる案件だった。

 玉野所長は「虐待がどれだけ重い犯罪かをもっと市民に知らせる運動を展開したい」と語った。

 厚生労働省による発表では、20年度の虐待相談対応件数は全国で20万5千件を超え、過去最多を更新した。子どもたちを対象にした暴力は無くならないどころか増え続けている。

 これといった解決策のない状態だが、地域で子どもを育てる気運をどう盛り上げるか。体罰は犯罪だと徹底的に周知していくことが大切だ。

 DVで恐れおののいている子どもたちの顔を想像し、周囲の子育て世代に対し、優しく接することを心がけよう。

■虐待かと思ったら

◎児童相談所虐待対応ダイヤル(通話無料)
189(いちはやく)

◎こども・子育て相談専用ダイヤル(徳山保健センター内)
TEL 0834-22-0850(にこにこ・おやこ)

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