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記者レポート : 周南市のニュース
【周南】戦後80年、回天記念館の入館者増加も 昨年度は27小学校のうち10校
記者レポート周南市周南市内の小中学校で2024年度に同市の大津島にある回天記念館を訪れたのは、全27小学校のうち10校にとどまり、中学校はなかった。25年度は8月までの5カ月間で4校が訪れた。
市は今年度、戦後80年事業として学校行事で同館を訪れる市内の小中学生の徳山港と大津島間の船賃を助成。80年の節目に地元の平和教育施設への関心が高まるか注目される。
同館の入館者はコロナ禍の影響で2021年度は7,876人だったが、その後は増加傾向に転じて、24年度は1万1,407人になった。今年度はこれをさらに上回るペースで、8月までの入館者は6,475人と、昨年同期の5,251人を上回っている。特に8月は2,324人で昨年の1,610人の1.5倍になっている。
一方、小中高の学校関係の来館はコロナ禍で県外に出ることが難しかった22年度で31件、23年度は21件、24年度は16件とその後は減少傾向。今年度は8月までで7校。うち2校は県外の高校と中高一貫校▽1校は県内高校、残る4校が市内の小学校だった。
学校行事で大津島の回天記念館を訪れる場合、入館料は無料にしているが、貸し切りバスに加えて船賃が必要になる。そこで、戦後80年の今年度に限り、市が児童・生徒と引率教員の船賃を補助することにし、80万円の予算を計上している。
回天記念館と戦後80年事業を担当している文化スポーツ観光部では「ぜひこの制度を利用してほしい」と各小中学校に周知して呼び掛けている。
子どもたちに平和について考える機会を提供する回天記念館や戦争遺跡の見学。各教育機関は平和教育とどう向き合うのか、今年度に限らず交通費も含めた費用面の補助など環境整備も含めて、指針を示すべきではないだろうか。
回天記念館=周南市提供
回天記念館は太平洋戦争末期の海軍の特攻兵器「回天」によって亡くなった搭乗員などの遺影、遺書、遺品を展示。搭乗員の訓練基地があった同島内には訓練施設の跡など戦争遺跡が残されている。毎年11月には回天記念館の前庭で回天烈士と搭載潜水艦乗員の追悼式が開かれている。
